昭和二十六年二月二十五日 地天21 「教えの光」(3)

--いわゆるインフレは財界の浄化作用と思いますから、物価はたとえ天文学的数字に上り、社会は混乱しようとも一時のことであって、これを抑圧するデフレ政策を執ることは間違いではないかと思います。わが国はインフレを経済界の疾患として恐れ、デフレ政策という浄化停止策を執っているため、かの物価が天文学的数字に上った第一次大戦後のドイツにおいてさえ見られなかったような、言語に絶する家庭惨劇や、社会悲劇、あるいは道徳に対する昏迷、道徳法律の破壊というようないろいろの弊害が、ますますひどくなっているように思われますが、いかがでございましょうか。

 勿論、これは間接的一種の浄化作用ではある。人間が戦争などという間違ったことをするから、その報いである。ただインフレにもいろいろある。日本などは先ごろの戦争のとき起ったインフレと、これから起るであろうインフレとは根本的に異う。前者は戦争の消費で物が不足したからであり、言わば不景気インフレであり、後者は世界的戦争準備のため、物の需要が増えるので、儲かるから景気のいいインフレである。このことについてはいずれ『栄光』紙上で教えるつもりである。

「『地上天国』二十一号、岡田茂吉全集講話篇第五巻p」 昭和26年02月25日