昭和二十五年四月二十三日 『御光話録』十八号(26)

〔 質問者 〕動物にはまったく精神作用はないと言う人がございますが、いかがでしょうか。

 人間の精神作用には智情意の働きが非常にありますが、動物にこれがまったくないってのは当たりませんね。動物だって感情は持ってますよ。こうしたいとか、ああしたいとか、苦しいとか、嬉しい、悲しいとか言ったような感情はやっぱり持ってますよ。人間で畜生に生まれ変わったのなんかは人間と感情は違いませんよ。それから畜生は笑わないってよく言いますがね、そんなことはありませんよ。狐は笑いますよ、口を開けて笑いますよ。狸は特に笑いますね。また怒って噛みつくこともできるし悲しがりもしますよ。塩原太助が「青」って馬と別れるとき、馬が泣いたって言いますね。まあ、それは◎でしょうが、悲しい表情くらいは馬だってしますよ。

 勿論動物の精神作用は下等ですが、人間の精神作用は上等なんですね。犬なんかは女犬の後を追いまわし、匂いを嗅いだりかじりついたりしますが、人間が道端で女にかじりついたりしようもんなら、それこそたいへんですからね、さっそく精神病院に連れて行かれちゃいますよ(笑声)。人間は動物と違って霊が高く自制心があるんですよ。まあ、人間のほうが上等なんですがね。けど、人間でも下等な者は動物と同様ですよ、副守護神の本能の働きを本守護神が制しきれないんですからね。

「『御光話録』十八号、岡田茂吉全集講話篇第三巻」 昭和25年04月23日