昭和二十五年四月二十三日 『御光話録』十八号(11)

〔 質問者 〕世間ではよく建物を完全に作り上げないようでございますが。

【 明主様 】 ええ、よくそうしますね。これは完全にすると魔がさすって言ってね。左甚五郎なんかも知恩院を作ったときに傘を一本差し込んでおいたって言いますね。つまり、「満ちるは欠ける」って言って、完全なのは極点ですからね。ちょうど満月と同じことになるんですよ。また、昔ある大工の名人が東京の下谷にある広徳寺を作ったんですが、その寺の門は一尺くらい低いんですよ。三代将軍がいい門だって賞めたそうで、だから「いいもん(門)は広徳寺」って言われたくらい立派なできだったんですね。それが低くなってるのも前のと同じにわざと完全にしておかなかったんですね。ま、こういうこともいままでは霊界が夜だったからで、将来昼の世界になればなんでもすべて完全になるんですからね、こんな心配はいらなくなりますよ。

「『御光話録』十八号、岡田茂吉全集講話篇第三巻」 昭和25年04月23日