昭和二十五年一月二十日 『地上天国』十二号(4)

〔 質問者 〕シューマンとか、ヴァン・ゴッホのごとき天才的芸術家と言われる人々に、精神病の多いのはいかなる理由でしょうか。

【 明主様 】 天才的芸術家に、必ずしも精神病者が多いわけではない。よく天才と精神病は紙一重と言うが、天才はふつうでも変わっているから、精神病的に見えるのである。本当に精神病的であるのはまれで、シューマンとかゴッホのごとき人は本当の精神病である。最近の文士にも精神病者的のものがあるが、これはヒロポンやアドルム飲用者で、人間の造った精神病である。

 元来、芸術家はわがままなもので、なにかインスピレーションが湧くと、すぐに飛び出したり、一つ事をじっと見つめていたり、そういう行動が普通人から見ると精神病者的に思えるのである。しかし大芸術家は、実に大常識家である。光琳などの物の観方は、実に常識的で彼の画は奔放大胆のように見えるが実に一分の破綻なく行き届いているには頭が下がるのである。

「『地上天国』十二号、岡田茂吉全集講話篇第三巻」 昭和25年01月20日