昭和二十五年一月二十日 講話(28) 光録16

〔 質問者 〕食物と健康について、
(一)大先生様は御朝食後甘薯を、御就寝前におしるこかお茶漬をお召し上がりの由うけたまわりましたが、これはどのような効果があるのでしょうか。

 これは効果ってよりも、……つまり、私は栄養を摂りすぎてるから、あっさりしたもので調節するんですよ。私はかえって栄養過剰ということを心配してるんです。栄養の多すぎるのもいけないんですよ。栄養の少ないのを食べてれば人間健康ですが、いまの人々は栄養過剰の結果病気になり、さらに栄養を摂ってますます栄養過剰にしてる、だから衰弱してしまうんですよ。
  

〔 質問者 〕そういう食物には栄養が少ないんでしょうか。

 少ないってより、つまり動物性でないから摂るんです。栄養ってものにも霊的と体的と両方あって、野菜なんか霊的ですが、魚だとか肉だとかいったものは体的な栄養なんです。
  

〔 質問者 〕(二)病人が野菜を多食いたしますとき、どんな野菜が一番よろしいでしょうか。

 これは、その人が食べたいものを食べたらいいんです。よく、なになには体に薬だから食べたくないものを我慢して食べるってことがありますが、あんなのはまったく嘘ですよ。食べたいって欲が起るのは体に必要だから食べたくなるんです。食べたくないってのは体に必要ではないか、あるいは食べてはいけないんです。人間の体ってのは実にうまく作られているんですよ。それなのに人間のほうで間違ったことをやってるんですよ。
  

〔 質問者 〕混食ということはいかがでしょうか。

 やはり好きなものを食べたらいいんですが、原則は両方食うことですね。
  

〔 質問者 〕胃の悪い人でも甘いものを非常に欲しいことがございますが……

 ええ、食いたけりゃ食ったらいいですよ。
  

〔 質問者 〕しかし、食べますとあとで具合が悪くなります。

 悪けりゃ加減して食ったらいい。(笑声) やはり程度ですよ、だから程々に自制することですね。
  

〔 質問者 〕重傷のときに果物はいけないと伺いましたが……

 そんなこと絶対言いませんよ。……ただ下痢が劇しいときだけはいけませんね。下痢がふえて体が疲れますからね。それ以外のときはかまわない、果物だって神様が人間のために作られたんだからごくいいんです。

 それからね、子供に餡気はいけないってよく言いますが、これはたいへんな間違いですよ。以前六つくらいの男の子が来たのでそばにあった羊かんをやったんです。するとその母親はびっくりして羊かんなんか食べるのは生まれて初めてだって言うんですよ。子供のほうは喜んでペロペロッと食べちゃいましたがね。これはね、お医者さんが餡は疫痢の原因になるからって食わせないからですよ。そしてそれは医学の本に餡なんて書いてないからなんですよ。 ……ってことは、医学が西洋の直訳で西洋の医学の本にアンコだのミソシルだのはのってないからですよ。(笑声) だから、その代わりお医者は牛乳だのオートミールだのって西洋の食物を食べろっていうでしょ。……けど、日本の押割麦もオートミールも同じもんですからね。また、アンコがなぜ悪いかって言うんですよ、小豆を粉にしてよく煮て砂糖を入れて作ったんだから実にいいもんですよ。
  

〔 質問者 〕飴なんかはいかがでしょうか。

 差し支えありませんよ。飴と餡は違うけど、いいですよ。かえってチョコレートなんかのほうが体に悪いですね。

「『御光話録』十六号、19500120、岡田茂吉全集講話篇第二巻」 昭和25年01月20日