〔 質問者 〕青年期によくニキビが出ますが、これはやはり然毒の浄化でございましょうか。また「想われニキビ」などと言いますが、実際そのようなことがありましょうか。
「想われニキビ」なんてありませんよ。(笑声)想われたってできない人もありますからね。そしてニキビは然毒でもないですね。アブラですよ、一種の。ま、ホルモン過剰が本当かもしれない。(笑声) 生理的なもんですからね、だから年寄りにはないでしょ。(笑声) ニキビによく薬や石鹸を使いますが、これは両方ともいけませんよ。だいたい石鹸なんか使うとキメが悪くなり、自然の美がなくなってしまうんですよ。
〔 質問者 〕では、なにがよろしいのでしょうか。
なんにも使わないことですね。
〔 質問者 〕糠なんかいかがでしょうか。
糠はいいですよ。……石鹸なんか使わないと本当の美になるんですがね。だから昔の人、例えば小野小町なんか実に美人だったろうと思うんですよ。(笑声) いまの人はなんやかやで顔を荒しておいて、それで化粧してるんですからね、この点もまったく愚かですよ。
〔 質問者 〕顔にアブラ気の多い人はなにを使うのがよろしいでしょうか。
やはり糠がいいですね。糠にはアブラを溶かす働きがあるんですよ。だから以前、私は漆を使ってたことがあるんですが、漆ってのは手につくと石鹸で洗ってもとれないんですが、トボシ油でとるととれるんです。それからあとでトボシ油を糠でとったもんですよ。
「『御光話録』十五号、岡田茂吉全集講話篇第二巻」 昭和24年12月20日