昭和二十四年十二月二十日 講話(28) 光録15

〔 質問者 〕神聖なる土地を発掘し科学的研究を達せんとする学者と、信仰の対象を単なる物として扱われるため信仰への侮辱を感ずる宗教家との間の争いはいかに解決されるべきでしょうか。

 これが問題なんですよ。あのね、エジプトのピラミッドってのは王様の墓所ですが、その中のツタンカーメンって言うのを発掘すると死ぬって言われてたんです。最後に、そんな馬鹿なことが……ってわけで学者が調べたことがあるんです。私はその探検隊の手記を読んだことがありましたがね。それには、ピラミッドの階段を降りて行くと、一遍に辷って下へ落っこちてしまう所があって非常に驚いた、やっと上に登って下を見ると中になにか変なもの、霊のようなものがあってなんとも言えず怖ろしくなって、とうとう調査を止めてしまったと書いてありましたがね。

 で、法隆寺のもどっちにも理屈はあるんです。だからやりたけりゃ、やらしておけばいいんです。研究しようとする学者の立場も本当だけど、そんなことは御免こうむるっていうのにも理屈があるんです。だから両方に自由にやらしたらいいでしょう。

「『御光話録』十五号、岡田茂吉全集講話篇第二巻」 昭和24年12月20日