昭和二十四年八月二十三日 講話(11) 光録14

〔 質問者 〕最近私どものほうに、話で病気を治す人が現われて村や町でたいへんな評判です。なんでもその先生は二〇年間修行したとかで、そこの道場に行くと、唖や聾や盲が治るとかで押すな押すなの盛況だそうです。これはなんでしょうか。

 こんなことは嘘で、ただの宣伝ですよ。話で治すっていうのは日本ばかりじゃなくて、アメリカにもありましたよ。アメリカのは病人が「もう治った治った」と自分に言うんですね、それでそうとうの効果があるんですよ。そうとう流行したそうですがね。私もやったことがありますよ。話をして治すっていうけど、つまり言霊で治すんですね。例えば腹が痛いときに「腹の痛み去れ!」って言うとフッと痛みがなくなってしまうんです。けどしばらく経つとまた痛くなるんで、私よしましたがね。

 それから、なんとかいう医者で、やはり話で病気を治すって人がありましたよ。これは一時間も二時間も話をするんですが、いろいろ精神方面の話もするんです。そして医学のほうは第二にして薬なんかもほんのちょっとしたものを使う程度にしとくんです。これもある程度効果があったんです。それから昔、いま言う肺病を治す先生は太鼓持ちみたいな役で、病人を笑わせるんですよ、滑稽なことを言ってね。こんなのでもたいへんよくなるんです。

 この人はどの部に属するか知りませんが、もし治るとしても決して根本的に治りゃしないんです。病気は浄化ですからね。こういうのは一時的なもんで、決して長く続かないですね。また、そんなことで唖や聾や盲が治るってことは絶対にありませんね。人寄せのための宣伝ですよ。第一、聾には話が聞こえやしないじゃないですか。(爆笑)

「『御光話録』十四号、岡田茂吉全集講話篇第二巻p~」 昭和24年08月23日