昭和二十四年八月二十一日 講話(35) 光録11

〔 質問者 〕私の子供、現在五歳ですが二歳くらいの智能しかありません。ただいま住んでいる妻の実家は数百年の家系をもつ名家ですが、過去八年間にこの家で六人の人が次々死亡いたしました。私の子供の特長は、少しも外へ出て遊ばず非常に鶏や兎をこわがります。私どもはぜんぜん気づかぬほど遠くに鶏や兎がいてもこわがって泣き出します。また、いくら年を覚えさせようとしても「オカアチャン」とのみ申してほかになにも言いません。近所の人の話では、この付近は昔戦場であって、私どもの家の下にはたくさんの白骨が埋まっていて亡霊が迷っており、それに憑かれて悪因縁が循環するのだとも申します。先月、光明如来様をお祀りいたしましたが、今後いかがいたすべきでしょうか。

 実際、戦場の跡なんかにはよくこういうことはありますよ。こんなのは供養してやるといいですよ。その付近に石碑を建てるんですね。よく、「三界万霊供養」なんて石碑があって、観音様が彫りつけてあったりしますがね、そういう意味なんですよ。もしそんな場所がなければ自分の家の仏壇に位牌をこしらえてね、「三界万霊之供養」……「三界万霊之救」でもいい……そう書いてね、祖先の位牌より大きいとまずいから祖先のより小さくして、仏壇の端のほうにおいて供養するんです。それでもいいですよ、そうして、光明如来様にお願いすればたいへんな救いになりますよ。

 この鶏や兎をこわがるっていうのは、鶏や兎に被害をこうむって死んだ霊ですね。で、そのときのこわいのがしみついてるんですよ。二歳くらいの智能っていうんだから、二歳くらいで死んだ霊なんでしょう。その子供はお母さんの留守にでも寝てるときに、鶏が上って来てつっつき、そこへ兎がやって来てまたごちそうにあずかって殺された ……とそんなふうに考えていいでしょうね。そのときの恐怖がとりきれぬうちに生まれて来たんですよ。子供が死んだとき親があまり執着すると、それに引っ張られて早く生まれ変わってしまうんです。そういう子供は困るんで、結局親を苦しめるという結果になるんでね。死んだ子供は早く忘れたほうがいいんですよ。

「『御光話録』十一号、岡田茂吉全集講話篇第二巻」 昭和24年08月21日