〔 質問者 〕丑満時に万物は生育すると申しますが事実でしょうか。
こんなことはありませんよ。かえって反対に万物は萎縮するでしょう。だから「丑満時には棟木が三寸下がる」って言うし、「草木も眠る丑満時」って言うんですよ。すべてのものは日光を受けて生育するんですよ、夜中は休んでるもんです。
〔 質問者 〕俗に丑満時と申しますが、午前二時から四時までのこの時刻は霊と人間との間になにか特別の関係があるものでしょうか。
ありますよ。つまり、丑満時っていうのは一昼夜の中で一番静止したときなんです。「草木も眠る丑満時」って言って草木も眠るくらいだから、すべての活動が絶えるんじゃないけど、ごく少なくなったときですね。だから人間だけじゃなくて、あらゆるものに影響があるわけなんです。人間にすれば一番安眠のできる時間なんで、神様がちゃんと寝るための時間を作っていてくださるんです。「ひとのみち」ではそういうことがとてもやかましくて、太陽が沈むっていうことは人間が眠るっていうことだと言ってとても早寝だし、また太陽が出るってことは人間が起きて働くようにっていうことだと言って恐ろしく早起きなんです。しかし、まあ実際にはそうは行かないから、そこんところは臨機応変にやるんですね。あまり朝寝坊は勿論いけませんが、そんなに早く起きて馬鹿に早く寝ちゃうっていうわけにも、いまの文化生活ではいかないでしょうからね。
「『御光話録』十一号、岡田茂吉全集講話篇第二巻」 昭和24年08月21日