〔 質問者 〕『旧約聖書』の中にある「ノアの洪水」の物語はなにかを暗示している予言と解してよろしいでしょうか。
「ノアの洪水」っていうのは紀元前のことで、ノアという兄弟があって、あるときその兄貴のほうが神懸りになってね、近いうちに大洪水があるから多くの人に知らせろ、っていう御神示を受けたんです。そこでさかんにそれを宣伝したけれどその言うことを信じたのは六人だけだったんです。で、その洪水に備えて箱舟っていうのを造ったんですが、これはぎんなんの実の形をして蓋がついていたんです。で、それを造って待っていたところが、そのうちに、一〇〇日間雨が降ったとか、四〇日間雨が降り続いたとか二つの説がありますがね、それで大洪水になってみんな逃げて山の上に登ったんです。しかし、山へ登ったんですが、獣だとか蛇だとかも山の上に来たもんだから、みんなそれらのものに食われて死んでしまったんです。しかし、箱舟には獣や蛇は入って来ないし、それに七五日分の食糧を用意してたもんだから、結局、その八人だけが助かったんです。その八人がだんだんにふえていまの西洋民族になったんですね。
この「ノアの洪水」は日本にもあったんで、ちょうど伊邪那岐、伊邪那美の時代だったんです。この両神は高い山に上ったので助かったのです。だから、『古事記』に「シホヒス、シホミツ」って言う言葉がありますがね、ヒスは乾かす、ミツは満ちるですね。そして「二柱の神、天浮橋に立たして、其の沼矛を指し下して書きたまへば、塩こをろこをろに書き鳴して」そして島や国が生まれたって言うんですが、これは、大水が引いて島や国ができたっていうことだろうと思うんですがね。実際においていくら力があってもそんな魔術みたいなことはできるわけがないですからね。
『聖書』には「ヨハネは火の洗礼をなし、キリストは水の洗礼をする」っていうのがありますが、水っていうのは体で、火は霊ですからね。だから本当の意味での火の洗礼、霊の洗礼はこの浄霊のことなんですよ。浄霊は火素でやるんだから火の洗礼ですよ。しかし、この場合は火の洗礼といっても大きい意味じゃなくて、人間対人間の洗礼ですね。ところが、これからは霊界が本当に昼間になりますから、火素が多くなって浄化が強くなり、強く浄められるんで、それこそ本当の「火の洗霊」になるんですよ。(『地上天国』五号編集後記参照)……