昭和二十四年七月十三日 講話(15) 光録13

〔 質問者 〕いま私は無神論者ですが、これにも限界のあることは判ります。

 ええ、無神論には限界がありますよ。……だから私はよく無神論者に言うんですよ、恋愛ってのを科学的に説明してみろって、……バーナード・ショウは「恋愛は種族保存のためだ」と言ってますがね。
  

〔 質問者 〕私もそれに共鳴します。

 私も共鳴ですよ。(爆笑) しかし、恋愛が種族保存のためとしても、なぜ恋愛が起るのか、また性欲のない恋愛があるのはなぜかという疑問は残る……
  

〔 質問者 〕科学もまだですから……

 ええ、そうですよ。科学はまだまだです。……私のほうのは二一世紀の科学だから現代人には説明できない。いままでだって時代より進みすぎてるときには、その時代に入れられなかったことも歴史上にあるじゃないですか。
  

〔 質問者 〕ええ、コペルニクスのようなこともありましたが……お話を元へ戻して、医学に関することは御自身でそう思ってらっしゃるんですか。

 思ってるんじゃない、事実です。
  

〔 質問者 〕事実と思われるのは。

 ですからね、独善や観念ではなく、事実ありのままですよ。
  

〔 質問者 〕初めはどういうことからお始めになったのでしょうか。

 私はさんざん病気をして薬も浴びるほど服んだんです。が、その結果……これは言いたくないんだが……三月ほど神懸り的になった。それまでの私は無神論のコチコチで、神社の前を通ってもお詣りしたことなんかなかったもんでした。しかし、とうとうこの無神論も神様からやっつけられてしまったんです。
  

〔 質問者 〕医学に見離されたこともおありだったのでしょうか。

 それもありますが、もっと大きく、唯物主義というものは半分で、人間は霊によって動くんだから唯心的な面が必要だということを悟ったんです。
  

〔 質問者 〕二つあってもいいんじゃないですか。

 いや、だんだん進むとこの二つが一つになる。片方は見える世界、いっぽうは見えない世界ですね。いままでの宗教家は物質の面を否定してたんですが、本当は二つが一つになるべきなんです。
  

〔 質問者 〕それで、先生の方法で効果があるからみなさんにお奨めになるんでしょうか。

 いや、私はすすめやしませんよ、信者がすすめてるんです。(爆笑) 私はさっきみたいに多少の話をするだけです。
  

〔 質問者 〕よけいなことかもしれませんが、信者の方にお気の毒ですね。

 信者はあんた方のほうがよっぽど気の毒だと思ってますよ。(爆笑)

「『御光話録』十三号、岡田茂吉全集講話篇第二巻p~」 昭和24年07月13日