〔 質問者 〕箱根の意義についてお伺い申し上げます。
箱根のことは前によく言ったんですがね。……日本は世界の公園になるのがその使命なんです。そして日本の公園はやはり東西の真ん中にある箱根であり、箱根の公園は強羅で、ここは元日本公園と言ったんですが、その中心がいまの観山亭なんです。ですから、ここから拡がって行って地上天国ができるんです。
ところで、観音様は経緯を結ばれるんです。そして私はこの経緯を結ぶためにこの世に生まれて来たんですが、いままではこの経と緯が別々になっていたんです。だからいままでの宗教には、仏教にしてもキリスト教にしても本当の力がなかった。ところが、 いよいよその本当の力が発揮される時期が来たんです。だから私がちょっと書いた「光」という字の御守り様に人を救うだけの力がある。……(中略)……
力という字を見ても判るように、力ってのは経緯を結んで左進右退の活動なんです。だからまた、東西文明が結ばれることなんです。観音様が男であり、女であり、またどっちとも言えない中性だっていうのはその意味なんです。そうすると、箱根から東が関東であり、西が関西ですから、関東と関西を結ぶ真ん中は箱根であり、その中心は神山になるんです。この上の家を神山荘としたのはその意味であり、神山の前が早雲山でしょ、だからここを早雲寮としたんです。……宝山荘も多摩川を距てて、東京と神奈川の境になってるんです。
箱根ってのは、言霊から言うと、「ハ」は開く、火であり、「コ」は凝る、固まる、「ネ」は根本という意味です。だから結局「火の固まりの本」ということになるんです。そして箱根は火で熱海は水になり、その火と水が十国峠で結ばれるんです。十国峠は一〇カ国が見えるから十国峠というんだって言われますが、本当は経と緯を十に結ぶことなんです。箱根は夏涼しく、熱海は冬暖いんですが、それが十国峠を通るともう気温が違ってくるんです、神様はまったくうまく作られたもんですよ……