昭和二十四年五月二十三日 講話(3) 光録10

〔 質問者 〕お道に入らせていただいて黴菌や蝿の存在の意義は判らせていただきましたが、蚤、虱などにも同様の意味があると存じてよろしいでしょうか。

 同様の意味でいいんです。蚊だとか蚤だとかはみんな人間の毒血を吸うんですよ。刺されたりするとそこに毒血が集まるんです。だから本当は結構なんですが、ただ痒いんでね。(笑声) 私も以前は刺されるとよく赤く腫れましたが、疥癬をしてからなんともなくなりました。

 それから「相応の理」なんで、汚い所には虫や微生物が湧くようにできてるんです。これを大きく言うと、泥棒があるって言うのは、人間が汚れた財産や富を持っているから、それをなにかで取らなくちゃいけない、で、泥棒はその取る役目をしてるんです。だからむしろ泥棒に感謝すべきです……しかし、こんなことを言うと泥棒を奨励してるみたいで、誤解を招くといけないからあまり言えませんがね。(笑声)

 悪人がはびこるのは、汚い所に害虫が発生するのと同じです。悪人っていうのは人間の形をした害虫ですよ。(笑声)きれいな心の人ばかりになれば悪人なんて出ませんよ。

 また、人間には濁った血がたくさんあるんで濁った血を掃除するために呑み込むのが黴菌で、その黴菌を人間につけてくれるのが蝿ですからね。蝿はたいへんいい役目をしてるんです。だから私は蝿がいくらたかったってなんとも思いませんよ。ちっとも気にしませんね。うるさいからって追うほうがかえってうるさいですよ。(笑声)

「『御光話録』十号、岡田茂吉全集講話篇第二巻」 昭和24年05月23日