彼 貴教会の急激な発展のため、世間であんまり騒ぐので、当局もだいぶ調査しているような話を聞くが、別に御心配はないですか。
僕 お説の通り、本教発展のため恐怖を感ずるもの、嫉視する者、為にする者などが入り混り種々の不正手段を用い、当局を動かそうとしていることはよく判っている、これは新宗教には必ずつきもので、キリスト、マホメットなどの大聖者を初め日本においても法然、親鸞、日蓮などの例をみても明らかである、ただ釈尊だけそれがなかったのは皇太子という地位のためであった、しかし文化の進んだ今日はむしろ迫害というほどの峻烈な圧迫がないことはありがたい時世と思うくらいである。
本教が大いに問題の焦点となっていることはそれだけ本教が大宗教であることを如実に物語っていると言うべきだ。
彼 最近〇〇連合会大会の席上、本教が話題に上り、本教の急激な発展は現当利益が著しいからだということに帰し、なにゆえに利益が顕著であるかを調査することに一決したが、貴下はどう思う。
僕 それは結構でもあり、結構でないかもしれない、なんとならば右の結果として自分の宗教を捨てるという危険があるからである、これについて本教にいささかでも疑念がある人士は徹底的に調査されんことを希望してやまない、それによって本教の正しさと日本再建に当たっていかに有要な存在であるかを認識され得るからである。
彼 よく判りました。
と言って帰った。
「『光』七号、岡田茂吉全集講話篇第三巻p298」 昭和24年04月30日