昭和二十四年三月二十三日 御講話(7) 光録05

〔 質問者 〕気候と植物の関係について……

 全体的に言うとね、気候なんてものにもいろいろあって、一年の半分は雨ばかり降り、半分は照ってばかりいる所もあれば、三寒四温の所もある。いろいろ神様がおやりになってらっしゃるんで、なんにでも変化を作られたんです。人種も同様にいろいろありますしね。また天体でも、太陽、月、星とか地球とかを造られ、それが調和して発達して行くんです。気候でもそれが違うとそこへできる植物もみんな違ってきますからね、まったく種々さまざまになるわけなんです。そしてそういうことが神様の御経綸なんですね。植物なんかも日本は一番種類が多いんですが、これは日本では四季が正確だからです。あの俳句というのは春夏秋冬によってできるものですが、先に外国旅行から帰った高浜虚子が、外国では俳句はできない、なぜかというと春夏秋冬がないからだ、と言ったそうですが、ヨーロッパなんか割合に気候の変化が少ないそうですね。なんでもドイツ人は二着くらいの服で一年中間に合うって言いますからね。だから日本人はいろんな着物をいくつも持っていて贅沢だって言われるんですよ。すべてにおいて日本には種類が多いんですね。草木、魚介などあらゆる物に亙ってね。だからいまによくなれば日本くらいいい所はないようになると思っているんですよ。……このごろ私は花を研究してますがね、その種類の多いのには驚きました。椿でも一四〇種もあります。今度それをみんな買いましたがね。山茶花でも一〇〇種からありますしね。梅なんかどれを見ても同じようで四、五種くらいかと思ったら、二〇〇種もありますからね。しかもそんな研究を徳川時代の人がやってるんです。えらいものですね、ちゃんとその種類を一々書いてあるんです。今度は花卉の栽培をしようと計画しているんです、そしてことごとくの花を網羅するつもりです。日本の花をアメリカでも欲しがってますからね、これはたいへんな輸出になりますよ。アメリカ人の好きなのに「八重のくちなし」ってのがありますが、この花の香りは非常にいいですね。これは少ないんですが、私のほうでは殖やすことができますからね、大いにやるつもりなんです。それから百合なんかも独特のものだし、「チューリップ」でもオランダに負けないくらいできるでしょう。なんにでもたいへんな種類がありますからね、その中のいいものだけ栽培して、未だかつてない大花壇を計画中ですがね。ですから野菜の栽培だけじゃなくていろんな方面でやってみようと思ってるんです。

「『御光話録』五号、岡田茂吉全集講話篇第二巻p100~101」 昭和24年03月23日