昭和二十四年三月十三日 御講話(2) 光録05

〔 質問者 〕太陽熱が低地ほど強くて、地面に近いほど暖かいのはなぜでしょうか。

 これは逆です。太陽熱は低地ほど弱いんですよ。低地が暖かいというのはね、地面が太陽熱を吸収するからだとか言いますが、あれは嘘で地熱のためなんです。太陽熱は弱いもので、地熱のほうがずっと強いんです。だから高山に行くほど寒いというのは地面から遠ざかって地熱が少なくなるからです。これから見ても太陽熱は割合弱いということが判ります。積った雪が下のほうから溶けるのもそのためです。しかし、太陽熱と地熱と密合すると強くなります。だから地下をちょっとばかり掘ると涼しいのですが、これは太陽熱から遠ざかるためです。これもある程度までで、それ以上掘って行くとだんだん熱くなって、ついには鉄でも溶けるようになります。しかしそんなに掘って行ければいいですがね。それならアメリカまでも船なんかで行かないでトンネルを作ってエレベーターを使えばいい。(笑声)地球の中心は熱塊ですからね。

 温泉なんかこのためですね。岩石に割れ目ができてその下を通っている地下水が地熱に熱せられてそれが噴出するんです。箱根は山水ですが、熱海は地下水でたいてい地下一〇〇〇尺くらいの所を川のように流れてます。まあ推定すれば幅は一〇間から二〇間の湯の川ですね。そしてそこの地層に鉱物があると鉄や硫黄が溶けてその湯に混るわけです。世間でよく鉱泉と言って鉄分や硫黄分の混っている温泉があるのはこのためなんです。

 今度、農園に温泉を掘るつもりです。まあ、たいてい湧くつもりですがね。これはね、温泉の湧く所は判るんですよ。まず、そこに生えている木で判ります。勢いがなくて茶色くなってますよ。これは硫黄のためですね。また土がね、まるっきり違いますしね。そこの水でも判ります。掘って行ってある程度から下になると石へ鉄や硫黄がずっとついてます。もっと下にゆくとまるで鉄の石みたいになってますよ。以前、その辺を掘った人がありますが、湯の川の枝の所を掘ったんで駄目でした。もっと奥のほうに太いのがあるんです。で今度は一番の幹を掘るつもりです。
   

〔 質問者 〕海の深い所は暖かいのでしょうか。

 いえ、やはり冷たいんです。……また、水の霊は冷えるものでね、水の層の下へ行くほど濃くなるので冷たいわけです。それから、地熱のガスにはそうとうの力があります。だから将来はこれが動力の一番の本になります。

「『御光話録』五号、岡田茂吉全集講話篇第二巻p~」 昭和24年03月13日