〔 質問者 〕運命と宿命について御解説をお願い申し上げます。また病人を一生懸命御浄めしても死んでしまった場合、それは寿命で死んだのかあるいはそうでないかを判断する基準を……
宿命というのは定ってるのです。ちょうどワクのようなものでこれの外へは行けない。運命とはワクの中ではあるがある程度自由なのです。だからそのワクの中でも上のほうへ行けばより自由であり幸福なんです。しかし生まれながらの宿命の一番上までは行けるがそれ以上は駄目なんです。それ以上の宿命の人はまたそれだけ大きいわけです。
寿命は定っていてしかも変えることができるのです。以前こんな話を聞いたことがあります。ある人が田舎道を夜おそく家に帰ることになったが途中の産土の社で泊めてもらった。すると社前に一人の人間が来て「申し上げます」と言うと社の奥で「言ってよろしい」と言う返事がする。「今日何時ごろどこそこで某が生まれました」「それは寿命は二五歳で死因はアブサシだ」。ところがその某という人は社に泊った人の隣の人であった。それから二五年経ったところその人は正しく死んでしまった。そのときの死因はアブに刺されて死んだのだそうです。そんなこともあるんですよ。
私のほうへ入る人も危険を救われて入る人が多いのですが、その場合それ以後の生命は寿命をつぎたしたことになるのです。つぎたされた生命を勝手に使ったり、金を儲けることばかりしていては駄目なのです。神様は運命を変えることができる。その人の生き方しだいでは永生きもするのです。
「『御光話録』(補)(年代不詳1951頃)、岡田茂吉全集講話篇第一巻p」 昭和23年07月08日