昭和二十三年四月八日 御講話(3) 光録(補)

〔 質問者 〕野菜の無肥料栽培についてお伺いいたしたいのですが。

【 明主様 】やり方はいままでと同じですがね。いままでの畑は肥料があるから悪い。また種子にも毒が入っているから三年くらいは駄目です。だから畑は新しい土を入れ替える。長く作ると土の養分がなくなると言われてきたがそうではなく、使うほど土の養分が出る。砂を焼いて入れるのも不自然だからいけない。無肥料でやると物によっては初めからよくとれるのもあるが、だいたい二、三年から四年くらい経ってから収穫がふえる。堆肥は使ってよい。この腐らしに加減がいるんです。木の葉は葉のすじが残っていてはいけない。堆肥を使うといいのは、堆肥に肥料があるからではなく、熱が出るからいいんです。肥料の成分……窒素にしても空中に充分ある。それは地霊ですが、その上に製造したのをやるでしょう、だから多すぎてしまうんです。燐酸やカリも同じで熱を起す働きですがかえって毒が加わる。土が酸性になるのは肥料をやりすぎたためです。第一土は生かしてやらねばならない。だから連作してやらねばいけない。箱根で栽培しているんでも、ナスやトウモロコシを連作してますが、それでよくできるんです。しかも悪い石だらけの土地で、第一虫がつかない。虫なんかは肥料から生じる。だから消毒、殺虫剤を使うのは間違いです。あんな薬をぶっかけたら虫は死んでも、土が荒れてしまう。トウモロコシなんかもう五、六年やっている。神山荘の近くの呑本の婆さんがビックリして種をくれというから、種子がいいのじゃないと言ってやったんです。果樹は私はやってないが、いままでのように剪定は必要でしょう。枝豆はとても虫がつきやすいんですが箱根の枝豆にはぜんぜん虫がつかない。

「『御光話録』(補)(年代不詳1951頃)、岡田茂吉全集講話篇第一巻p386~387」 昭和23年04月08日