昭和二十三年二月二十八日 御講話(7) 光録(補)

〔 質問者 〕大黒様の由来を御教え願いたいのですが。

【 明主様 】これにはいろんな伝説がある。が、その中で割合信じられるのは、最初日本で天照大神が生きてられたとき、インドから一人の偉い人が渡って来て家来にしてくれと言ったとき、大神はもっと柔和な顔になったら家来にしてやると言われたので、笑顔をしてお仕えするようになった。そしていまでいう財政を司ったという説がある。これが伝説の中では一番いいでしょう。

 私が大黒様をお祀りし出したのは大森時代、ちょうど不景気な時代でもあり、毎月赤字であった。こっちは懐も淋しくてやりきれなかった。ところがある銀行員が大黒様を持ってきていらないかと言うので、私も気に入って祀り出した。その像の裏には文久何年とか書いてあった。するとその月から赤字がなくなってしまった。これはいいというわけで、それからは大黒様を何種類も集めましたよ。上野毛の大きな大黒様には神秘がある。四、五百年経ったもので、麻布の古道具屋から手に入れたんです。これをくれというと主人が、これは自分自身で拝んでいるんだから上げられないとて断られたが、後でその主人が夢をみて、大黒様が紫の雲にのって出ていかれる姿を見たそうですが、その年の大晦日に自動車で私の所へ持ってきたんです。そのとき主人は別れを惜しんで大黒様に抱きついて泣いてましたよ。たしかそのときは三〇〇円包んでやりました。そのときから金がよく入るようになった。大黒様をお祀りするといいですね。大きなのほどいいですよ。この前渋井が大きなのを作って開眼してくれと言ってトラックで持ってきました。男四人でやっとかつぐんですよ。そのためか渋井の所はバカに金が入る。一月二月なんかたいしたもので、人に話しても信じられないくらいです。いくらかそんなこともあるんでしょう。不動銀行の牧野という人はたいへんこれを集めてます。大黒様の夢知らせで、関東大震災のちょっと前、日本銀行の公債一〇〇〇万円を不動に預け入れた。行員は変に思ったが、間もなく震災でほかの銀行が支払わないのに不動だけは支払ったので一度に信用を博したそうです。たしかに大黒様はいいですね。いろいろ神秘がありますよ。治療所も患者が大勢来て金がたくさん入ればいいんだから祀ったらよい。大黒様はいわれよりも御利益があればよい。

 大黒と恵比寿と対<つい>でもいいが大黒だけでもいい。あの木槌は土からの財、恵比寿のは海からの宝を意味してるんです。

「『御光話録』(補)(年代不詳1951頃)、岡田茂吉全集講話篇第一巻p377」 昭和23年03月08日