〔 質問者 〕今度の帝銀事件の家も代々質屋でだいぶ怨まれてましたが、この前に入った夫婦も変死し、空家になっていたのを帝銀が借りたのだそうです。
【 明主様 】私は前に相場が好きでよくやったんですがね。まあ損ばかりでしたが、兜町辺りには怨みの霊がたくさんいて、あすこから持ってくる紙幣についている。悪銭身につかずとは本当ですよ。だから私は損ばかりしていたんです。それが判ってから相場はやめて鉱山を始めました。こうして信者の持ってくる金は浄財ばかりです。霊はなんにでもつき作用します。怨みの霊が家に入ると家の霊が曇る。松下の家にはその家を作った大工……まだ生きてるんです……白い髭の老人の霊が来たそうです。自分の作った家に執着を持っているからですね。だから人を苦しめてはいけないんです。
私はよく言うんです。偉い人になってはいけない、ありがたい人にならねばいけない。偉い人になると敵から怨まれる。英雄の末路哀れなのはそのためです。明治天皇がおかくれになったとき、みな二重橋で御平癒を祈った。全国では、何万という人が祈ったでしょう。それでもおかくれになった。これは明治天皇は日清日露の戦いをやったので、支那人やロシア人から怨まれる。その怨みは日本の中心の天皇に集まるんです。なにしろ人間はときどき思い出しては怨みますから始末が悪い。
馬鹿馬鹿しいことでも先方の言うようにしてやるのがいい。災難とか運が悪いとか言うのはみんなこれです。偶然なんていうのは絶対ないんです。それさえ判れば苦しいときには、ああこれは自分が種を蒔いたんだと考えることができるんです。
いまは世の中がみんな怨みっこです。愛するなんてことは少しもない。自分だけいい子になろうとしている。こういう目で政治を見るとなっていないです。また国民もこれが判らないんで苦しめられるんですよ。