国常立尊のお働き(二)

 「幽世大神(かくりよのおおかみ)は、神幽現の三界の中、幽界の主宰神であらせられるのでしょうか。又、幽界とは中有界と地獄界とを指すのでしょうか」

 この幽という字は両方に使えるんで、幽冥界ともいうし、幽庁っていえば閻魔の庁で地獄だしね。私は他にいい字がないんで、幽玄界っていう風にいい方に使ってますがね。つまり、幽玄微妙っていうようなことで、霊界の感じを実によく表わしている字なですね。だから、幽界は地獄界の方に多く使われますが、地獄界ばかりでもないんですね。

 それから、幽世大神って方は幽界を直接支配されるんで、従って現界の方は間接ですね。そして閻魔大王が幽世大神様だったんです。閻魔大王の御本体は国常立尊なんですがね。

 ところが、国常立尊は現界の方の仕事をされる様になったので、ーーこれは最近の事ですがね、ーーそのあとに大国主命が後釜になって居られるんです。で、大国主命って神様は極くおとなしい神様で、まあ神様の二級どころですが、国常立尊は一級の神様で、素晴らしい御力を持って居られるんです。

 それで、今でも全く交替された訳じゃなくて、やはり国常立尊が一部を司って居られるんです。

 五六七の御世になれば大国主命で沢山ですがね、今は未だ兇党界の邪霊が慟いてますからね、これには国常立尊でなくちゃいけないんです。

 兇党界の親玉でも、国常立尊にはかなわないんで、国常立尊を非常に怖れるんですよ。

「御光話録第17号」 

御光話録