神とともに生きる

 信仰も初期の段階におきましては、しごく単純に心の悩みを解決されたいとか、病気をなおしてもらいたいとか、物質的お蔭をいただきたいとかの小乗的一身上<しょうじょうてきいっしんじよう>のお縋<すが>りが多いのでありますが、それでもいままでしらなかった神さまとのつながりをもったということで、けっこうなことといわねばなりません。神さまは新規入信者に対しては、これを幼児として待遇<たいぐう>されるもので、まず手近<てぢか>なそれらの願いごとにお蔭をくださり、喜びを与えて、だんだんと真の信仰へお導きくださるのであります。おそらくみなさまの多くは浄霊の奇蹟におどろかれ、入信されたことと思います。そして感激のうちに「おひかり」をいただかれて、他人にもその喜びをわかとうとして信仰をすすめたり、浄霊をしてあげたりして入信者をつくられ、また、さまざまと御教えのお取次などしていられるうちに、多くのお蔭をいただかれたでありましょう。そうして、こんどは他人を幸福にすることによって、自分自身の信仰が高まり、神さまに対する理解が深まるにつれて、現当利益<げんとうりやく>はほんの入口で、真実は人間の心の病をなおし、平和の世界を築きあげることこそが、神の御目的であるということをさとらしていただけるのであります。ついには神とともに生き、神とともに働くことに、喜びを持つようになるのでありまして、信仰もここまでいけばほんとうのものであります。

「栄光  四〇八号」