信仰初期の段階にありましては、物の考え方、受取り方が、どこか浅く単純でありまして、心身の悩みを癒<いや>されたうれしさに、一時は信仰に熱中いたしますが、だんだんとご神徳になれ、冷静になりますと、いままで気がつかなかった信仰のむつかしさにぶつかり、悩みや懐疑<かいぎ>が生じてくるものであります。これが最初のご試練でありまして、これを越えてほんとうの信仰に導かれるものであります。第二の信仰過程に入りますと、最初ほど派手に信仰はしませんが、かえって深みのある言動<げんどう>をし、自分がご神徳をいただくよりも、ひとりでも多くの人びとに、おかげをいただかしたいという利他的愛善<りたてきあいぜん>の行動をとるようになります。かく信仰が向上するにつれ、守護神<しゆごじん>も知らぬ間に、より上級の神さまと交替<こうたい>されて、嗜好物<しこうぷつ>、性癖<せいへき>なども往々かわってくるものであります。
「地上天国 九四号」