“言うは易く行うは難し”の譬<たと>え通り、口では誰もかれも善いことを言いますが、なかなか実行の伴わないものです。しかし、口にしたことは行わなければ意味がありません。信仰者に大切なことはなによりも不言実行<ふげんじつこう>です。
そして、信仰が進み、神さまがわかればわかるほど、説くに説けないところにこそ真の神さまが坐<おわ>しますことを知り、自然に口がきけなくなり、実行をするようになるものです。つまり、神さまの奥には奥があって、人間の小智小慮<しようちしようりよ>では、とうてい測<はか>ることのできないのが神さまとわかったら、少しは神さまがわかりだしたと申してよく、所詮<しよせん>世のため、人のため、ひとつでも善行を積ましていただきたいと願う気持になれば、神さまはその人相応に働かして、ご用にたててくださるのです。
「栄光 四五三号」