豊富なエネルギーを読書に体験に

 「救世教ほ世界に伸びる、あらゆる要素<ようそ>を備<そな>えている」と、よく外人に言われるそうです。まことに本教の特徴<とくちょう>である浄霊は人種国境<じんしゅこっきょう>を越え、あらゆる人にその神様の愛と慈悲<じひ>とを伝えることができます。しかも、限<かぎ>られた人だけでなく、望むならばだれもが奇蹟<きせき>を許され、人びとの霊肉両面の悩みを救わせていただくことができるという点に、非常な強みがあります。

 それが現在、着々と外人の間に普及<ふきゅう>されつつあるということは、まことに喜ばしいかぎりで、ことに、これら異国<いこく>の方々の敬虔<けいけん>な感謝に満ちた神様へのお縋<すが>りは、実に純真そのものであると伺<うかが>いまして、大いにわれわれも模範<もはん>としなければならないと思った次第であります。

 明主様がかつて、『アメリカを救う』と仰<おお>せられましたように、経<たて>と緯<よこ>とを結ぶ新文明が、いまや光輝<こうき>を放ちはじめたようであります。本教が日本の救世教から、さらに世界の救世教へと飛躍<ひやく>が望まれる次第で、いつまでも井の中の蛙式独善観に囚<かわずしきどくぜんかんとら>われて、ガヤガヤしているようなことでは、新時代をリードしていくことなど、とうていできるものではありません。挙<こぞ>って世界人となり、世界を基本<きほん>にして活躍<かつやく>していただきたいものであります。

 われわれはいまというこの瞬間<しゅんかん>を、いかに最善をつくすかに心魂<しんこん>を傾けていれば、他人の欠点<あら>さがしなどしている暇<ひま>はないはずであります。各自教団の命令に従って、一致協力していただきますなら、いかに高遠雄大<こうえんゆうだい>な理想へでも、必ずいつかは到達<とうたつ>できるのであります。

 その間視野<しや>はできるだけ広く、途上<とじょう>のあらゆるものを捉<とら>えて、自己向上の資<し>に役立たせてください。もとより世界はひとつであり、神様に隔<へだ>てはないのですし、向上は無限で、向上こそ神様の一番喜ばれるところであります。新時代を担う青年は、その豊富<ほうふ>なエネルギーを読書に体験にいかし、海外にいかれるような場合、明主様の御教えをどんな角度から問われても、充分に応酬<おうしゅう>し、解説できるよう、智慧証覚を磨いておいてください。

 また、救世教はその名のように、世界人類の間にやがて伸びていくべき大宗教であるということを念頭<ねんとう>において、しかも、日々の細<こま>かい心遣<こころづか>いから、まず、勉強をはじめていただきたいと思っております。