世の中の不幸の原因に、誤解<ごかい>というものが案外大きい役割<やくわり>を占めております。誤解をそのままにしておくときは、いたずらに双方<そうほう>の不幸を長引<ながび>かす恐<おそ>れがあることで、何よりもまず積極的に誤解を解<と>き、互いにサラリとすることが大切であります。ところが、自分さえ正しければ、神様は、何ごともよくご存じのはずだから、いまにわかるだろうなどといって、誤解をそのままにしておくことが、一番いけないのであります。よく話しあえば、案外つまらないことが原因で、疑心暗鬼<ぎしんあんき>を生<しよう>じている場合が、甚<はなは>だ多いのでありますから、何よりも話しあうことが肝心<かんじん>であります。