現界を向上の場と心得、努力する

 人間には神様の代行者<だいこうしや>となり、地上に天国を樹<た>てて、真善美<しんぜんび>の世界を造っていく天職使命<てんしよくしめい>があります。それで、ほんとうに神様のお目的に叶<かな>った、愛と善の世の中を造るには、まず霊界の存在を知ることがはじめです。

 人間の本体は無限<むげん>の生命をもつ精霊<せいれい>そのものであって、肉体はその人の入れ物にすぎません。神命のまにまに現界<げんかい>、霊界に出入りして、生成化育<せいせいかいく>のご神業に仕<つか>えていくものであることをさとらなくては、真の人生の意義<いぎ>に徹<つ>した、とはいえないと思います。この現幽<げんゆう>一体の真相<いつたいしんそう>を知り、生死を超越<ちようえつ>して、しかも、現界をもっとも意義ある活<い>き舞台<ぶたい>として重<じゆう>視<し>し、地上に天国を建設<けんせつ>し、忌<いま>わしい病貧争<びようひんそう>をなくしていこうと努力<どりよく>するのが、人間の正しい姿だといえましょう。

 端的<たんてき>にいえば、向上<こうじよう>を願うという一語につきるのでして、すべては未完成<みかんせい>から完成へと、無限<むげん>向上を続けているものであります。