大自然の道に逆らわないこと

 神様のため、世のため役に立つには、まず身体が資本でありますから、身体に故障<こしょう>の起こらないよう、日常から理に叶った健康な暮らしをすることです。若さにまかせて暴飲暴食<ぼういんぼうしょく>をしたりしていますと、それが悪い習慣<しゅうかん>になり終生治<しゅうせいなお>らなくなります。やはり、将来のことを思って、よい癖は若いときにつけておくことだと思います。

 細かい注意になりますが、腹は八分目、早寝早起きを励行<れいこう>し、結婚<けっこん>もよい相手があり、生活の条件が許せば、あまり遅<おそ>くならないうちに結婚した方がいいと思います。ただし、身魂が合うということが重要なのでして、一時の衝動<しょうどう>にかられて、霊線<れいせん>の合わないものが一緒になるということはいけないのです。やはり惟神に結ばれるように徳を取り、素直にならなければいけないと思います。

 要するに、すべてが大自然の道に逆<さか>らわないことです。大自然といっても放任的<ほうにんてき>、動物的になどと誤解<ごかい>してはいけません。つまり、人間には神様が定めた人間の通があります。人間ばかりでなく、万物に道があり、道によってみなたっているのです。人を愛するといっても道なき愛はいけないのでして、これは悪になります。道に従い、真理に従った正しい愛でなければなりません。人間は人間の道をいき、獣<けもの>の道と一緒になってはいけないのであります。

 また、人間の中にも外国人としての道があり、日本人としての道があります。ですから、まず世界人であると同時に、日本人でなければなりません。日本の使命をよく自覚<じかく>して、そのうえにたって世界人として活動するのです。国籍不明のような世界人であってはいけないのであります。いまの日本人はほんとうに国を愛し、誇りを持っている人は実に少ないのです。これではいけません。やはり自分の国を愛すべきが人間の情<じょう>なのです。人間の道をつくしてはじめて人間たりうるのであります。