天国の福音

幽霊はあるか

 昔から幽霊の有る無しについては、諸説紛々として今よって決定しないが、私は有りと断定する。何となれば実際あるからである。有るものを無いとは何人といえども言えないであろう。彼の釈尊の説いた地獄、極楽説もダンテの『神曲』にお …

霊界の審判

 そもそも人間は、現世において人類社会の為与えられたる天職使命を完全に遂行すべきであるに拘わらず、そのほとんどは事物の外殻のみを見、不知不識のうちに悪に属する行為を重ねる為、それが罪穢となって霊体に曇が堆積する。したがっ …

霊界の構成

 前項に述べたごとく霊界は天国、八衢、地獄の九段階になっており、その段階の差別は何によるかというと光と熱である。すなわち最上段階は光と熱が最も強く、最低段階の地獄は、暗黒と無熱の世界であり、八衢はその中間で現界に相当する …

顕幽不離

 人間は死後といえども、現世における一切はそのまま持続するので、死の苦痛といえどもそのまま持続するのである。これについての一つの実例をかいてみよう。  以前私の部下に山田某という青年があった。ある日彼は私に向って「急に大 …

天狗界

 天狗界は、各地の山嶽地帯の霊界にあって、天狗なるものはそれぞれ山の守護としての役を掌っている。又名山などで高級な神霊の鎮祭されている所では、その神霊の下にあって山に関する種々の業を司っている。そうして天狗界にも上中下の …

龍神界

 龍神などというと、現代人は荒唐無稽の説と思い、古代人の幻想による作為的のものとしか想うまいが、実はそうではないので立派に実在しているのである。それについて私の体験から先に書いてみるが、私が宗教や霊の研究に入った初めの頃 …

兇党界

 兇党界とは悪魔の世界であって、一名邪神界ともいう。この団体は常に正神と対抗し続けている。正神の方に八百万の神あるごとく、邪神の方にも八百万ある。そうして正神は善を行わんとするに対し、邪神は悪を行わんとし常に相対峙してい …

善と悪

 私は神と悪魔について説こうと思うが、これはまことに困難である。何となれば人間は人間であって神でもなければ悪魔でもないからである。しかしながら人間には自由がある。ここでいう自由とは自由主義ではない。しからば何か、それは人 …

守護神

 いかなる人間といえども正守護神、又は守護霊なるものが霊界に在って付随し、常に守護している事である。そうして人は神の子であり、神の宮であるといわれるが、既説のごとくそれは神から受命されたすなわち神の分霊を有しているからで …

祖霊の戒告

 本来祖霊はわが子孫に対し、幸福であり家系が栄える事を願望しつつある結果、その目的に背馳する所の原因である過誤や罪悪を子孫に行わしめざるよう、邪道に踏入らぬよう不断の警戒を怠らないのである。したがってその子孫がたまたま悪 …