幸福への道
文化の進歩が駸々乎として止まる所を知らざる現世界において、真の幸福を得ている者は何人あるであろうか。我は幸福者なりと言い得る者は恐らく真に寥々たるものがあろう。本来文化の進歩とは人類の幸福をより増進する事が最後の目的で …
医学と自然
現代医学の誤りについては再三再四、事実を根幹として詳説した事によって読者はある程度の認識を得たであろうが、私はなお言い足らぬ所を述べてみよう。 これは日本の現状をとっての批判であるから読者はそのつもりで読まれたいので …
病気症状の解剖
まず病気症状といえば大別左のごときものであろう。すなわち発熱、痛苦、掻痒苦、不快感、嘔吐、下痢、浮腫、盗汗、眩暈、不眠、憂欝、麻痺、咳嗽、逆上、耳鳴、冷え、便秘等である。これ等について順次本医術による解説をしてみよう。
発熱
医学上発熱の原因として今日行われている説は、既記のごとく発熱中枢なる機能が頭脳内にあって、それがなんらかの刺激によって発生するとされている。又運動に因る疲労の為や肝臓及び腎臓、胃腸障碍その他各所からの発熱に対してはその …
痛苦
痛苦すなわち痛みなるものは前にも述べたごとく、浄化発熱によって固結毒素が溶解され液体化され、それがいずれかに出口を求め、その方向に進まんとする運動が筋肉の神経を刺激する為である。 痛みの症状は盲腸炎、急性腹膜炎、急性 …
掻痒苦
掻痒苦は痛みに比して侮り難い苦痛である事は誰も知る所である。原因はもちろん薬毒、然毒及び食餌中毒の三種であり、一般に知られているものとしてはかの疥癬及び蕁麻疹である。この原因は主に前者は然毒後者はカルシウム注射、ヨード …
不快感及び嘔吐
ここに不快感といっても一様ではない。重なる症状を記せば嘔気、痙攣、船車の酔、憂欝感等であろう。そうして最も多いのは嘔気である。この原因は脳貧血に因る胃の反射作用と高熱、食物中毒、薬剤中毒、溜飲、幽門狭窄、妊娠の場合等で …
下痢
下痢は最も多い症状で、まず急性と慢性とに区別される。急性は飲食物に因る中毒すなわち食あたりである。世間よく寝冷えによって起るというが、これは誤りで冷えに因る下痢は極稀である。食あたりに因る下痢の際、薬剤によって止めたり …
浮腫及び盗汗
浮腫はその原因に二種ある。普通は腎臓萎縮又は膀胱の支障であって、腎臓萎縮は一般的浮腫の原因である。重症は全身的、軽症は局部的で、例えば左右いずれかの半身又は下半身というような事もある、しかしながら局部的といえども顔面又 …
眩暈及び不眠
眩暈も多い病気であるが、医学では不明とされている。しかし、その原因はすこぶる簡単である。 原因として最も多いのは、右側延髄部に固結があり、それが眼球へ送血する血管を圧迫する為で、その圧迫が波状的の故をよって視神経が動 …