一 竹の庭
白亜の美の殿堂、箱根美術館は神仙郷の上段に聳え、緑の風がわたる。楓の根もとの岩苔をぬらして、谷川の音。「この岩の配置には手が入っていますね。石組の法によって自然に人工を加えてありますね。」はじめて訪れて、その手際の凡な …
二 神を知らぬ者
人類がすべて神を知らぬ者となるとき、この地球は滅びるであろう。聖書にいう世界の終末が訪れるであろう。今や最後の審判は迫っている。 明主はいう。善とはなにか、神のなかにある。神とともにあるものに悪はない。悪は神を認めず …
三 真善美の世界
神の目標であり、かつ救世教の建設しようとする地上天国は、真善美まったき理想世界である。ここに真とは真理の具現ということである。ところが現在の社会において、人間はただ生きるために、アグセクはたらいているばかりで、そこには …
四 一葉の松葉
中国の絵画は宋元時代のものが最も傑出しているという。なかでも牧谿、梁楷、馬遠などの墨絵は特にすぐれているといわれるが、それらの名品が箱根美術館におさめられている。その馬遠の「高士観月」の前にたつ。「月光蒼く幽谷に籠め、 …
五 岩の庭
美術館で先前みた白山松哉の蒔絵の文台と硯箱の印象が、いつまでもあざやかに残っている。多くのすぐれた作品をみる際には、それらのなかで最もすぐれた逸品の印象だけが残り、その他のものはあとかたもなく消え去ってしまう。ここに芸 …
六 神仙郷
では神仙境はどうしてできたかということである。明主は箱根と熱海を非常に好んでいた。戦争の激化で疎開地を箱根にもとめ、箱根なら強羅にかぎると思っていた。すると強羅の故藤山雷太氏の別荘が売りにでたので、早速、購入した。土地は …
七 花の天国
熱海桃山の瑞雲郷は、高さおよそ百米、熱海駅から教丁ぐらいで、徒歩で十五分、自動車で五分ぐらいのところにある。山腹にあって、展望台から望めば、南に相模湾を俯瞰する。花園の下方に熱海全市を、右に錦ケ浦から伊豆の島山が見え、 …