美術館の湿度は特に細心に
美術品には、湿度ということが非常に重要視されますから、私ども美術館奉仕者は、毎日、朝晩館内の湿度を計り、統計をとっておりました。 ある日、明主様が美術館へおいでになって、『いま湿度はどのくらいあるのだ』とおっしゃられ …
スリッパの揃え方まで気をくばる
美術館に、翌日特別に、有名人などが見に来られるという時には、直接明主様がお出ましになって、その人が喜ばれるようなものをご陳列になり、何かとお気をおくばりのようでした。また開館当時は、みな素人で、何から何まで明主様のお指 …
常に心くぼりが大切
箱根美術館に奉仕しているころのことです。 私は美術館の休憩所に用事があって、萩の家の裏の道を下りて来ますと、ちょうど明主様が傘を手に、二代様とおばさまとともに、萩を賞でられつつ下りて来られるところでした。 突然のこ …
少しの油断でも切り込まれる
明主様に美術品をごらんに入れていた時、ある日こんなご注意をいただいたことがあります。 それは、忘れて申し上げるべきことが足らなかったからですが、明主様は、『すべてこの世の中は、お互いに真剣勝負だ。少しの油断があっても …
小さいことが出来なければ
ある人に、『あんたのところでは、一ヵ月に米をどれくらいたべるか』と明主様がおたずねになったのですが、その人は突然なので、「さあ……」と考えていたんです。 すると明主様は、『そういうことはいつも承知していなければだめだ …
目標は出来るだけ大きいところに
明主様はよく、われわれが意気消沈する時、『人間はどんなにひどい圧迫や打撃を受け、苦悩のドン底に沈んでも、何クソという反発力が強くなくては、決して大きい成功をするものではない。もちろん国家でも同様であって、たとえ滅亡的悲 …
悪に対しては腹を立てよ
ある日、家内が明主様に、「私は腹が立って仕方がございません。どうか気を長く持つことができますようお許しのほどを」と申し上げましたので、そばの私は得意げに、「私は腹が立ちません」と申し上げました。 すると明主様は、『腹 …
怒らないより怒れない人に
私は若いころ(二十代)、手に負えない乱暴者で、喧嘩の三羽烏と言われたくらいでした。それに、私は弱いから、すぐ物を持って殴りかかるようなことをするのです。自分で自分が怖かったくらい、喧嘩しては酒をのみ、あばれるという始末 …
“借り”は“仮”でほんとうでない
ある日、借家のことについて、つぎのような御教えをいただいたことがあります。 『このごろは、何事にも感謝の気持ちが欠けていていけない。家などを借りて、住まわしてもらっている場合でも、お蔭で雨風しのげているのに、家主に対 …
顔にも出さぬ自分の痛み
明主様にもネン毒が出たことがありますが、決して痛いとはおっしゃらず、痛そうなお顔もなさいませんでした。 そのくせ、人がそうだと、深く同情され、心配されました。人のことでは、『痛いだろう、苦しいだろう』と言われますが、 …