仏界の救い(二)

 昔からある上人、大師。禅師という高僧の霊は、これは「地上天国」の多賀夫人の霊憑りにもあるとおり、そういう偉い坊さん達が、霊界で非常にあせっているのです。というのは、霊界がだんだん明るくなるにつれて、「仏滅」という事がよく分かって来たのです。大体仏というものは、みんな神様の化身です。

 これはお釈迦さんが、仏の世の間は神様では駄目だから、隠退して時を待つか、さもなければ仏になって働け、という事を言われているのです。そこで日本の″八人男女(やたりおとめ)″という五男三女は、仏になるのは嫌だというので、それでは龍神になって時を待てというので、″八大龍王″となって時を待ったのです。それでお釈迦さんから名前を貰って、それでお釈迦さんに封じ込められたという事になってます。インド名ですからなかなか妙な名前で覚え難いのです。

 その龍神達は、日本の周囲の海に隠れて、というよりか、そこに約三千年間住んで居られたのです。それでいよいよ「仏滅」になって、今度は神様になる、つまり元の身分になるわけです。

 それともう一つは、今言った、仏様として働いた神様、そういう仏達が、早く神様になりたい、そうして京都のいろんな仏像や仏画が自分達の居所になるわけです。それに憑っているわけです。それで今まで拝みに来る人などを守護していたのです。しかし守護していたと言っても、仏の力というものは月の光で薄いから、御利益を多くは与えられないのです。どうしても太陽の神様の光でなければならないのです。

 それで太陽の光というのは、神様になってその働きをするわけです。ですから仏が神様になるというのは″今″なのです。

 それで八大龍王の一番の神様が″伊都能売神龍(いづのめしんりゅう)″です。これが近江の琵琶湖に隠れていたのです。それで他の龍神は方々の陸地に近い湾のような所・・・越後と佐渡の間の海にも居ましたし、駿河湾、伊勢湾という所にも居て、そうして又その間、日本を守っていた点もあるのです。そういうような訳だったのです。(中略)

 それで今度お寺をずっと廻ったという事は、主なるそういった仏様に、『いよいよ君達は救われる』という警告をすると言いますか、そういう意味になるのです。

 ですから「神様の経綸」というものは、いろいろな事の、二つも三つもの経綸になるのです。そうしてそういった仏の霊が救われて、神様になって、そうして仏像や仏画はカラッポになりますから、そこで美術品として、美術館に並べて見せるという事になるのです。そうでないと、中に魂が宿っている時にそうされると、仏様は非常に苦しいのです。

「御教え集第21号」 昭和28年4月16日

御教え集