かつて宝山荘時代、私は受付事務を担当させていただくこととなり、一人の助手と玄関の広間に並んで御用につきました。
ところが、ふたりのあいだには、妙に不可解なトラブルが起こるようになり、気分的にしっくりゆかなくなって来ました。私にはかれの不満の理由がどうしても理解できないまま、日を過ごしましたが、かれはついに耐えきれない気持ちに襲われて、明主様に、私への不満を訴えたのです。
すると明主様は、私をお呼びになりましたが、お叱りになるご様子はいささかもなく、ただ両者の座席の位置をおたずねになりました。そして、すぐに、『それは順序が逆であるから、座席の順序を変えよ』とおっしゃいました。
それからは、なんとなく気分もはればれとして、ともかく、両者協調して円満に御用にお仕えすることが出来ました。