私は、育ち盛りをほとんど明主様のところで過ごし、始終叱られてばかりいましたが、ちょうど学校を卒業してすぐ奉仕に上がりましたので、『定時制の高校へ行ってみないか』と、明主様がおっしゃられて、二年間夜学へやっていただきましたが、これは非常に、いまでも感謝しております。もちろん面倒は一切明主様が見て下さいました。十七年の四月から荻窪の専検受験学校へ通ったのです。
そして、一年終了した時に、私は優等賞をもらいました。その時、明主様が、『おまえ、頭がいいんだなあ』とおっしゃいましたが、あとにも先にも、褒めていただいたのはこの時だけです。学校の費用は一ヵ月七、八十円かかりましたが、そのころの七、八十円は大変でした。経済的にもあまり裕福でない時代に、しかも、明主様のお声がかりで学校へやっていただいたのですから、そのご恩はあだやおろそかに出来ません。どうもご恩に酬いられなくて、いまでも申しわけなく思っています。