私の末の子が六つの時に、ある日曜日でしたが、外で遊んでいて急に頭が痛いと言い出し、熟は上がる、盛んに欠伸(あくび)をする──しまいには意識もハッキリしなくなりました。
疫痢ではないかと四人の医師に連絡しましたが、日曜日の午後でみな不在だというのです。
私の家の裏に野々山さんという奥さんがいて、以前から“日本浄化療法というものがあること、あなたもその治療をお受けになるといい”と言われていました。
医師不在で、私はその奥さんを思い出し、すぐその野々山夫人のところにお手伝いをやり、子供が疫痢になったかも知れないと伝えました。
すると奥さんは、「車をよんでちょうだい。子供さんは私が預るわ。大丈夫よ」とおっしゃって、その子を毛布にくるみ、玉川上野毛(明主様のお屋敷)へ連れて行って下さったのです。
そして数時間たつと、「ただいま!」と元気な声がするじゃありませんか。子供はすっかり元気になっているのです。こんなことがほんとうにあるのか、夢じゃないのかと思いました。
「ママ、ぼく、治ったの。先生(明主様のこと)がご飯を食べてもいいって。おなか空いちゃった」──子供は、そう言うのです。私は狐につままれたような気持でした。
翌日も、野々山夫人につれられて、子供は上野毛へ行きました。帰って来ての話に、おひるには天丼を食べたそうで、私はますます驚いてしまいました。
これは私の入信前の話です。