やっぱりちがう

 昭和二十五年四月の熱海大火の日、紅連の炎がまだ街の空を蔽っているとき、明主様は碧雲荘から清水町仮本部へ駆けつけて来られました。

 そして、『ここは燃えない』とキッパリとおっしゃってから、『だが、出すも
のは出しておきなさい』とお命じになりました。

 結局、仮本部は焼けずに残りましたが、その前にあった果物屋では家財道具を仮本部の庭に持ち込んだお蔭で、全部助かり、「やっぱりお光さんはちがう」と、うれしそうに話していました。