『私の用に変わりはない』

 玉川時代、当局の治療禁止が解かれて、明主様がふたたび治療をお始めになる時のことです。私どもおそばに奉仕していた者も、長い隠忍の夜が明けたように、希望に燃えていました。そして私は今度こそ、かねての念願である治療の助手として、大いに人を救いたいものだと期待していたところ、『おまえは受付の仕事をするよう』とのお言葉をいただいて落胆してしまいました。せっかく辛抱して春を迎え、張切っているのに、受付の玄関番では楽すぎて張合がない。なんとか、もっと活動的なことをしたくてたまらなかったので、ある時お役替えしていただくようお願いしてみました。すると明主様は、『治療するよりは、受付の方がズーッと骨が折れなくて結構ではないか。どっちだって私の用に変わりはない。私なんか必要によっては肥料桶かつぎでもやる。そのかわり肥料桶かつぎでも、一番になってみせるよ』と仰せられたことがあります。