京都の春秋庵をお買いになることになって、明主様と二代様が初めて春秋庵にいらした時のことです。おふたりでお部屋を廻ってごらんになっておられた時に、突然明主様がお部屋の中央に立ち止まって、天井を見上げられ、しきりに気になさいました。
その天井の裏に穴倉というのじゃなく、お部屋がひそかに作られていて、そこにいろいろ美術品を収めてあったのです。それを何も申し上げないうちに、フッとお気づきになられ、おふたりともしきりに天井をにらんでお話なさっておられました。
あとで聞くと、あんまりいい美術品はなかったそうですが、下を歩いていて、『ここに何かある』とお気づきになられた明主様に、私どもは感嘆したことでした。