少し御用をしすぎる

 あれは何年でしたか、ある教会から、御書体のお願いが二万体来たことがあります。

 この時明主様は、約一ヵ月でご揮毫になられましたが、毎晩のことで準備が大変でしたから、私はご揮毫奉仕の係ではありませんでしたが、まに合わなくては申しわけないと思って、その準備を手伝っておりました。

 するとある日、明主様がお呼びになって、『あんたは、少し御用しすぎる』とご注意いただきました。私はどうして御用しすぎてはいけないのか、その意味がわかりませんでした。

 明主様は、『そういっても、あんたにはちょっとわからないだろうけれど、実はね、私は御書体の仕事をやる人はチャンと決めてあるが、それを、あんたが横から割込んで来て仕事をやると、そういう決められた人間はよけい怠けて、救われずにだんだん落ちていく。それを見るのがつらいからやめてくれ』とおっしゃいました。

 私はそこまで気づかず、びっくりしたことがありました。