私は農家の出で、仕事をすることはちっとも苦にならない性分でしたから、明主様から大変重宝がられ、お使いいただいたものですが、どうも金銭のありがたさが身についているので、ご用命の仕事でも、明主様のお得になるようにと、ついお指図と違ったことをしてはお叱りをうけ、やり直させられたことがたびたびありました。
庭作りをしていたある時、『あんたは私の言うとおり、なぜやらないのか』ときついお目玉をいただきました。私は「明主様のお得になるようにと思ってやっております」と申し上げたところ、お笑いになりながら、『私は損得で造るんじゃない。この庭を損得で造る者があるか』とおさとし下さいました。