『仕事に誇りをもて』

 私の姉が信者だという関係で、二十四、五年ごろから、玉川の宝山荘へはよくまいりました。

 渋井先生も、私が女優ということで特別に目をかけて下さいまして、浄霊もしていただきました。

 その後、熱海や箱根へもよく参拝いたしました。

 ある日、私は渋井先生から井上先生に紹介されました。その井上先生が
明主様に「参拝者の中にニューフェイスの女優がいます」と申されたそうで、明主様も、『それじゃ連れて来なさい』ということで、母とともに箱根へ伺い、神山荘でお目にかかりました。そして、ご浄霊をいただき、『しっかりやりなさい』という激励のお言葉をかけていただきました。

 初めてお目にかかった時の印象は、明主様は真夏のこととて粋な縮みのお召で、とても親しみのある態度でいらっしゃるということです。すごく人間味を感じました。

 明主様は、『私は、いまこういう立場にあって仕事をしているが、あなたも自分の仕事に誇りをもって一生懸命励み、立派な女優になってほしい』とはげまして下さいましたが、あとで井上先生から伺ったことは、明主様は、『あの子が伸びるためなら、もしお金が要るというなら援助してやってもよい』と言われたとかで、私は非常に感激しました。

 それから十幾年が過ぎて、私もいまは奥さま稼業をしていますが、もう少し大成出来たら明主様にも喜んでいただけたのにと、悔やまないわけでもありません。

 いずれにしても、宗教家らしくない方、気持のよい方──これが私の明主様観です。