『商売と切り離してならもらう』

 明主様と二代様が結婚される前、正式なお見合ではないですが、お見合のようなことをいたしました。

 “ちょうど、二代様がおばさまと伊香保へ何時の汽車で行かれるから、その時ごらんになったら”ということで、明主様は上野駅へ行かれ、汽車に乗られる二代様をごらんになったわけです。帰られてから、「どうだった」と言いますと、『うん、いいだろう』と言っておられ、それで簡単に決まりました。仲人は近所のお医者さん(松本章太氏)でした。先方は年も若いし、こちらはちょうど腸をこわして、年よりふけて見えてましたから、どうだろうと思ってましたが、中へはいって下さった方が、よく取次いで下さいましたからまとまりました。

 ただ、『株で失敗したりして、以前とは大分経済状態も違うから、それだけは先方に伝えてほしい』と明主様も申されて、それを先方に伝えますと、むしろ、正直な人だと感じられたのでしょう。最初は年も違いすぎ乗り気でなかったのですが決まりました。

 二代様もおばさまから、「おまえどうだ、年も大分違うが承知するか」と言われますと、「でもこういうものは縁のものだから、年なんて構わない」と言っておられました。

 先方の主人も、届けられた明主様の写真を見て、この方はいい相をしておられるから、この縁談は承諾した方がよい。商売の方も多少なら援助してもいいと言っておられたそうです。

 それを明主様に伝えますと、『人の厄介になるのはいやだ。それとこれと一緒にされては困る。商売のことと切り離してならもらってもいい』と言われ、こちらは、それを承知して、もらっていただいたのです。

 だから二代様が来られた時は、経済的にもいろいろ苦労されました。しかし、明主様は大事にされましたから、二代様は幸せでした。