明主様は、品物の扱いについては、非常に厳しくあられました。御奉仕の人はよく、『言われたとおりしない』といってお叱りをいただいたものです。
いつかある人が掃除の最中、フトあやまってお気に入りの香炉を壊してしまいました。その人はどれだけ叱られるかと、はたで見る目も気の毒なぐらい意気消沈してしまいました。黙っているわけにはいかないので、その人は意を決し、青い顔をして明主様の所へお詫びに上がりました。しばらくして、他の御奉仕の人たちが心配顔で待っているところへ、ニコニコしながら帰ってきました。しかし目には涙をためて。
「明主様は私の顔を見るなり、“その心配だけであんたの罪は消えたよ”とやさしくおっしゃった」と涙ながらに語りました。