私は明主様のお側に奉仕していて、自動車の運転に興味を持ち、明主様の運転手である山口さんの助手をしながら免許をとりました。せっかく免許をとったのに腕を磨く機会がありませんので、この際外へ出て、なんとか修業したいと思い、意を決して明主様に申し出たのです。ちょうど巣鴨にいる伯父が王子石鹸の運転手をしておりましたので、その伯父について運転を勉強しようと思ったのです。
それが明主様に、「三年ほど外へ出て腕を磨いてきたいのですが」と申し上げると、『あてはあるのか。世の中はおまえが思っているほど甘いところではない。遊び半分で出かけてはだめだ。ほんとうに修業のつもりでいくなら行って来なさい。しかし途中で辛かったら、いつでもここへ帰って来なさい』とやさしく言葉をかけて下さいました。