水晶殿の玄関のところに、直径六十センチぐらいの立派な山桜がありました。
明主様はすでに、水晶殿の位置、向き、高さなどを決めておられ、その通りに建てて行ったのでしたが,
鉄骨を立ててみると、玄関のヒサシに、その山桜がかかるのです。
それが、「山桜がかかります」と申し上げますと、『かまわぬ、切れ。邪魔なものは仕方ない』と明主様は、その山桜を切ってしまうことを主張されます。けれども一方、二代様は、「残しておいて下さい」とおっしゃるのです。
私も困りましたが、ある日、『さあ、いまだ。奥さんに見つからないうちに切りなさい』とおっしゃって、とうとう切りました。
二代様もお気づきになっていられたようですが、一ヵ月ぐらいたって、「あら、あの桜どうしたの」とおっしゃいました。
そうしたら、明主様は、私の顔を見て、クスクス笑っておられました。