水爆の恐怖は悪の想念による
【井上氏】 いま問題になっている、原爆、水爆ということで、平和を脅かしていますが。
【 明主様 】 それは結構なのです。というのは、水素爆弾というのは科学では逃れることはできないのです。それから国際会議とか国際協定ということをしきりにやろうとしてますが、できたとしても一時的なもので、根本的なものではないのです。それよりか、根本はなにかと言うと人間の魂です。この間アイゼンハウアーが言いましたが、水素爆弾その物は危険ではない、その使用日的によって危険があるのだと言ったその通りです。ですからアレを戦争の武器としたり、多くの人間や多くの物を破壊して、その国の利益に使うとすると問題なのです。
【井上氏】 しかし、いまはそこに持って行きつつあるのではないでしょうか。
【 明主様 】 というのは、悪を制御する正しい力がないからです。その結果です。だから、悪を押さえる力が人間にできなければならないのです。そうすれば、悪いこと間違ったことはできないことになりますから、水素爆弾などは恐れることはないです。むしろ、アレを平和的事業にしたら、たいへんな力があるものになります。というのは、要するに太陽熱ですから、少しの物で自動車でも汽車でも動かす力がありますから、それに使えばたいへんなものです。しかし結局そうなります。
【真山氏】 世界救世教の教主といたしまして、それを平和の目的に寄与さすべく、どういったような努力をなされておられますので。
【 明主様 】 もっとも肝腎なことは人間の悪をなくすことです。それは人間からぜんぜんなくするということはできませんが、制御することはできるのです。というのは、悪が四で善が六ならよいのです。そうなれば破壊や殺戮の方法には使わないわけです。
アイクに御守りを
【真山氏】 そのためにはどういう方法をもってやられるのでしょうか。
【 明主様 】 根本は、つまり光を人類に与えればよいのです。そうすれば善が悪に勝ちますから、人間は他人を苦しめるような罪悪はできないことになります。これは信じ難いかもしれないが、まずアメリカの大統領が救世教の御守りをかけるのです。ですから私は、いまにアメリカの大統領に御守りをかけさせると言うのです。
【真山氏】 それが一番手っ取り早い手段ですか。
【 明主様 】 そうです。そうすると、マレンコフならマレンコフが、自分の目標が始終アメリカの大統領を思ってますから、そう思っているとマレンコフの想念が霊線を通じて始終アメリカの大統領に行くのです。行っているのです。そうすると大統領のここにある光が、霊線を通じてマレンコフのほうに行きますから、マレンコフのほうの曇りがだんだん減ってきます。そうするとマレンコフは、これは共産主義によって世界を制覇するということは間違っている。お互いに共同で幸福を楽しむのが本当だ、ということの心になってゆくわけです。そうするとそれでよいのです。
【真山氏】 マレンコフにかけてはまずいのですか。
【 明主様 】 マレンコフはいまかけません。テンデ相手にならないです。それはアメリカの大統領にかけさせるほうが早いです。
【真山氏】 アイゼンハウアーならかけますか。
【 明主様 】 アイゼンハウアーならかけます。とにかくアメリカは正義を愛する国、宗教を愛する国です。しかし共産主義は宗教は嫌い、反対のほうですから、御守りなどをかけるわけがないです。ですから私はアメリカに救世教を大いに拡げ発展させようというのが根本です。
【中村氏】 われわれもいろいろ考えてきましたが、アイクに御守りをかけさせるということは考えつきませんでしたね。
【 明主様 】 それはそうでしょう。世界を救うとしたら、それが第一着手です。
【中村氏】 吉田さんにかけさせるのはいかがでしょうか。
【 明主様 】 それはよいです。しかしその気持ちになるのがたいへんです。
【真山氏】 どうしたらよろしいでしょうか。
【 明主様 】 それは私が心配することはないです。神様がやってますから。
【真山氏】 神様の意志を人間が左右するということは。
【 明主様 】 それはいけません。私だって神様の道具です。人間のほうが神様に使われるのです。
アメリカを救えば日本も救われる
【中村氏】 教祖が『アメリカを救う』という本をお書きになったことが、アメリカで非常にわれわれのほうの読者から投書が来まして、それにつきまして、東京支局としては、教祖にお会いしていろいろお質<たず>ねしたいと思いまして……。私どもも『アメリカを救う』という本を拝見しましたのですが、だいたい健康を救うというのが目的ですか。
【 明主様 】 そうです。アメリカ人を健康にすることです。
【中村氏】 それが即アメリカ、国体を救うということまで考えておられるのですか。
【 明主様 】 国体は向こうでやりますから、私は関係ないので、健康を良くするということです。
【中村氏】 先ほどの、大統領に御守りをということは、大統領の健康を救うということになるのですか。
【 明主様 】 そうではないのです。大統領は世界を平和にしようとしていろいろしているのですが、その力になるのです。大統領は非常に正義が強いですが、つまり世界の正義を守るというのに一種の威力が出るのです。つまり、大統領の意志が思うようになるべく霊的力を与えるわけです。というのは、神様が私を通じて大統領の仕事がうまくゆくようにされるわけです。
【中村氏】 ときに、「アメリカを救う」という前に、日本人をまず救わなければならない、ということをお考えにはなりませんか。
【 明主様 】 ところが日本人は舶来心酔で、日本直接では駄目ですが、アメリカから来ればすぐほれます。
【中村氏】 日本人は舶来崇拝者だから、アメリカを先に救えば、アメリカから逆に戻ってくる。それによって日本は必然的に救われるということですね。
【 明主様 】 そうです。
【中村氏】 強い言葉で言えば、経営手段ということになりますね。
【 明主様 】 そうです。一つの手段です。
【中村氏】 しかし、手段でも人が救われれば良いではないか……結果論ということですね。
【 明主様 】 そうです。結果論です。
すべては神様の御意志にあり
【中村氏】 教祖はアメリカにおいでになるお気持ちはありませんか。
【 明主様 】 大統領が招待すれば行きます。
【中村氏】 先ほどのお話で、反駁<はんばく>するようですが、原爆患者を治しに教祖が行かれるのはもったいないと。
【 明主様 】 もったいないというのではないのです。私はいま個人個人を救うことはできないのです。つまり救う人間を作る仕事をしているのです。
【中村氏】 ちょっと、片手間においでになって、一○分でも二〇分でもということは。
【 明主様 】 そういう行動も神様しだいです。行けないのにどこかに行こうとすると神様に止められます。
【中村氏】 では、管長さんとか阿部さんとか、他の人が行くということは。
【 明主様 】 こういうわけなのです。神様のほうでその人間を救うというときには、こっちのほうでだれかが行かなければならないようなことになるのです。神様がすべてやっているのですから。
【中村氏】 それでは、われわれにはまだ「救え」という命令が来ないというわけになりますね。
【 明主様 】 そうです。
【中村氏】 教祖以下、救世教の信者は神様の指令下に入っているわけですね。
【 明主様 】 そうです。こっちは役者です。
【中村氏】 そうすると人間の権利ということを言いますが、神様の前では人権というのを滅しなければならないということになりますね。
【 明主様 】 いや、神様の前ではぜんぜん無です。神様は絶対ですから、こいつは邪魔だからとちょっとひねったら、それでおしまいです。人間ナンテ情けないものです。
【中村氏】 アメリカの大統領自身がどうにもならなくなった場合には、教祖さんを呼べば平和は解決するということになりますわけですか。
【 明主様 】 しかしそれは簡単にはゆきません。そうなるとすると、私がアメリカに行けるような、時間的に余裕のあるような境遇になります。神様というのは決して無理がないのです。ですからそういったすべての条件が揃ってから行くようになります。いまはそういう条件が揃わないから駄目です。
【中村氏】 私のほうの社で発表しまして、それによって大統領の招待がありましたら行かれますか。
【 明主様 】 しかし、あなたのほうの社より神様のほうが上です。また大統領にしても、名も知らない岡田という者を招待するということは、あり得べからざることです。
【中村氏】 われわれに会われたのも、神様の……というわけですか。
【 明主様 】 無論そうです。神様のほうでは、あなた方はすばらしい役目をされるわけです。
【中村氏】 いや、しかしわれわれのボンクラ頭では紙の上にうまく表わせないかもしれませんが。
最後に現在の教祖御自身の生活に満足しておられますか。
【 明主様 】 非常に感謝してます。私は世界で一番恵まれているでしょう。なにしろ、多くの人から感謝される気持ちというのは、実によい気持ちです。
【中村氏】 今日はわれわれも生まれて初めての経験でしたが、教祖も非常にお忙しい体と思いますが、われわれももう少し勉強させていただきたいと思いますので、ときどき来させていただきたいと思います。
【 明主様 】 とにかく、あなた方ジャーナリストが分かるということが一番よいのです。そういう人たちが分かれば地上天国はすぐできます。とにかくいまの人間は、あなた方が書いたもののほうが、宗教家の言ったものより信じますから、非常に結構です。
【中村氏】 長い間ありがとうございました。私も勉強してまいりますが、また一つお願いいたします。
【 明主様 】 ええ、どうぞ。
(ご対談おわり)