それから今度来た「ハワイ通信」の中にちょっとおもしろい一齣がありますから、読ませます。
(「ハワイ通信」(一八)朗読)
これは英語教修のときのことです。四〇人ばかり英語教修をしたのですが、その中に一〇人ばかりアメリカ人がいて、その中の一人で、将来非常に働く人らしいです。
その人のいわく「明主様が八人目の聖者に当たられる」というのです。この「八人目の聖者」ということは古くから伝説にあるのです。八人目というのは仏教のほうでは釈尊だということを言ってますが、釈尊は七人目というわけです。それは仏教のほうでお釈迦さんに値打ちをつけるために言ったのだろうと思いますが、この人の言うことが合っているわけです。
それから四、五日前に例のグリリ夫妻が、駐留軍の機関紙の『星条旗』(英語で言うとスターズ・アンド・ストライプス)の主筆で、陸軍大尉相当官を案内してきました。私はちょっと会うつもりだったのですが、話がおもしろくなって、だいぶ長く、一時間以上になりました。その際大いに共鳴して、今度は司令官の夫人を連れてくると言ってました。それからグリリ夫妻もだんだん熱心になってきて、今度は大いに救世教のために働かれるというわけで、それには日本語ができなければいけないと言って、最近日本語を始めたのです。この人はいまに非常に大きな働きをすると思ってます。いずれロックフェラー氏とかカーネギー氏を、日本に来たついでに寄るというのではおもしろくないから、わざわざ救世教の地上天国を見るべく呼ぶというようなことを言っているそうです。そういうような具合で、なかなかおもしろいと思ってます。アメリカ人の間ではそうとう有力な人のようです。なかなか信用もあるようです。そういったアメリカ人がだんだん増えてますから、いずれアメリカのほうが先に、救世教と私のことが分かるのではないかと思ってます。それについて書いてみました。
(御論文「迷信非迷信」朗読)〔「著述篇」第一二巻二七六-二七九頁〕
なおそのときのいろいろな話の中に「美術館のあれだけの品物を集めるには、まず五〇年はかかるだろう」と言ってました。「実際にはどのくらいかかったか」と言うから、私は「戦後ボツボツ集め始めて、本当に集まった期間はまず三年だろう」と言ったところが、びっくりして「とても信じられない。それはどういうわけだ」と言うから、「どういうわけと言えば、奇蹟と言うよりしようがない。つまり神様がそうされたということより他に言いようがない」というように言ったのです。でも、はっきりは分からないのです。そこで私が言ったのは「とにかく集まるということは、やっぱり金が集まらなければ品物は集まらないのだ。それで金はどうして集まったかというと、医者に見放された病気や死ぬような病気が治る結果、そこで感謝のあまり金を献<あ>げるというために金が集まって、これだけの美術品が買えたのだ」と言ったのです。それで側から阿部さんが「なにしろいままでと違って、一人対一人ではなくて、明主様のお書きになったものを懐に入れると、だれでもそれで病気が治るという、そういうように信者がキリストと同じようなことができるのだから」と言ったので、これも驚いたのです。「自分はいままで世界の偉人のことを聞いたり、会ったり、歴史によっても、キリストや釈迦と同じだとか、あるいはそれに近いとか、そういうようなことを言ったという人のことを聞いているが、キリスト以上だというような、そういう大きなことを言う人はなかった、明主様が初めてだ。これは実に驚いた」と言うのです。だからそういう方に対して批評はできないと言うのです。なぜなれば「もし明主様のような人を批評するとしたら、自分が同格か、それ以上でなければ批評はできない。しかし人間のほうは下なのだから、ただ事実を認める以外、批評は不可能だ。批評するのは間違っている」と言ったのは、さすがに米国のジャーナリストだと思いました。実にありのままを正直に表現することが、日本人はあんまりそういうふうには言わないのです。だから実によいと思うのです。どうも日本人はそういう場合にも、なにか色をつけたがるのです。日本のジャーナリストの色たるや、すごい色をつけます。自分よりも下のように言うのです。ちゃかすのです。「岡田茂吉ナンテなんだ、救世教ナンテなんだ。あれは時局に便乗してうまく儲けた」というような、軽蔑したように見るのです。だから米国のジャーナリストと日本のジャーナリストとの見方は天と地の違いさですいっぽうは「それほどの人は批評はできない」と言い、いっばうは、批評どころではないので「オレより下だ、あれに瞞<だま>される奴はヨッポド間抜けだ」と言っている、そのエラがり方との違いさはたいへんなものです。だからそうなると、失礼ながら日本のジャーナリストは、やっぱり豚に真珠としか思われないです。日本の文化程度の低さというものは実に困ったものです。汚職問題が起こったり、いろいろな変な、社会がゴタゴタして、テンヤワンヤなのはあたりまえだと思います。