いま一番騒がれている問題は汚職問題です。今朝の新聞では、有田二郎という代議士が家宅捜索を受けたり、逮捕許諾請求問題で、政治界のほうに火がついたわけです。そうするとまた大きな問題になるわけですが、とにかく霊界が明るくなったせいか、めちゃめちゃにああいう暗闇の罪が明るみへ出てきたわけです。それについて書いてみました。
(御論文「汚職の母体」朗読)〔「著述篇」第一二巻二二九ー二三二頁〕
いま読んだような具合で、問題は神様を知るか知らないかだけの話なのです。一昨日ある人から聞いてみると、池田勇人をこの間から喚問するすると言われていながらグズグズしているのですが、聞いてみると池田を喚問すると、今度は重光が喚問されることになるのだそうです。そうすると、自由党も改進党もめちゃめちゃになってしまうのです。それでなんとかしていろんな対策を講じているのだそうです。そういうようなわけですから、これがだんだんゆくと、どこまで拡がってゆくか分からないが、遠慮なく拡げれば日本の右翼は全滅になってしまうわけです。そうすると社会党のほうが頭を持ち上げて、政治界をリードすることになりますが、それではせっかくいま始めている軍備に大いに支障を及ぼすことになりますから、そこである程度で食い止めなければならないことになります。食い止めるとすると、司法権のほう、すなわち検事の連中を押さえなければならないのです。ところが検事の連中にも社会党の分子がだいぶあるのです。社会党の分子というよりも、むしろ共産分子ですが、それもそうとうあるらしいのです。しかし、それよりかこれよりか、検事連中、裁判官連中としては、大いに手柄になりますから、それで腕を見せるというようなことで、若い連中などは、徹底的にやっつけてやろうという分子も大いにあるのです。いっぽうアメリカに対するのほうは、もういい加減で食い止めなければならないということになって、政府も大いに苦境に陥るわけです。結局ある程度でぼやかすだろうと思います。それに対して世論は……これは新聞やなにかも大いに怒鳴るでしょうから……パッとはしない代わりに、ずいぶんゴテゴテするということになると思います。今日の有田召喚というのは政治界に火をつけたわけですから、これがどれくらい拡がってゆくかという興味もあるわけです。
ところでアメリカはアメリカとして日本の軍備を必要とし、そしてまた日本でも首脳部は軍備に対して大いにこれを充実しなければならない理由があるのです。それはどういうわけかというと、ソ連の方針はこういうわけになっているのです。朝鮮問題はソ連のほうから言うと大失敗なのです。あのときの計画では、アジア全体を鉄のカーテンに入れてしまおうというのが、スターリンの主なる目的だったのです。それを、東のほうからやろうか、西のほうからやろうか、あるいは中央からやろうか、という三つのうちの東の道(北にもかかってますが、だいたい東です)をとったわけです。そこで中共を援助して、そうしてだいたいその仕事を中共にさせようとしたわけです。それで、最初北鮮をおどらして南鮮にあのとおり向かってやったところが、南鮮はあんがい脆<もろ>く、たちまち釜山まで進撃してしまったのです。あわよく<ヽヽヽヽ>ば朝鮮全土を呑んでしまって、そうして日本を狙おうともしたのです。ところが九分九厘までいって、アメリカのほうが国際連合をつくってウンと反撃したので、それがうまく成功して、とうとうソ連は追いつめられた結果、あのときマッカーサーは一挙に北鮮を全部やっつけてしまうというところまで来たのですが、このときにトルーマンが弱腰で、あそこで止<よ>してしまいましたが、しかしあれも奥の奥は神様がやっているのだから、あれでよいわけなのです。そうしておいたけれども、結局蛇の生殺しですから、これを徹底させなければならない。それにはどうしても中共をやっつけてしまうことです。無論北鮮をやっつけて朝鮮を元通りにし、中国も蒋介石を大いに援助して元のように蒋介石の中国というようにすべく、そういう作戦を立てて大攻撃の準備を、アイゼンハウアーになってから着々始めたのです。そこで中共も、さんざん戦争をしてヘトヘトになっているところに、今度大仕掛けにやられたら、ひとたまりもなくやっつけられてしまいますから、これはたいへんだというわけで、これをなんとか一時押さえをしなければならないというのが平和攻勢で、これが一昨年ソ連の大使のマリクが停戦会議を提言したわけです。そういうわけで、つまり本当に平和にしようというのではないので、ただ一時アメリカの計画を食い止めるというわけで、あのときにしきりにアメリカの御機嫌をとるような態度に出ました。そこでだんだん交渉していたけれども、結局本当の停戦交渉も、結ばれたような結ばれないような、変な具合になっていました。そうしていまさかんにモロトフが四国会議で活躍してます。モロトフは中共を入れて五国会議にすると言ってますが、それはできないことは分かっているのですから、結局ソ連のほうは時を延ばしているのです。時を稼ごうというわけです。それを英国もフランスも平和ができるかのごとく、楽観したり悲観したりしてます。もっともフランスというのは屋台骨が傾きかけているから、腰がすわってないから、ただ平和でさえあればよい、あんまり国の面目を傷つけない限り、なんとか平和にすればよいという、意気地なし態度がよく見えるのです。そういうわけで、いっぽうソ連のほうはそうしながら、今度は中共のほうはドンドン戦いの創痍<そうい>を治しつつあったのです。それで、ようやくこのごろ中共のほうも傷が治ったので、今度は第二の作戦に取りかかったのです。それが仏印です。ホー・チミン軍をウンと援助しているのです。今度はホー・チミン軍の武器などもこの前とは違って、なかなかいままで使わないような、戦車のようなものでも、そうとう充実しているようなのです。だからだいぶ勢いが猛烈で、かなりな地点まで進撃しました。そこでフランスは、やはり七、八年に及ぶ戦争のために非常な損害を受けて、もう食い止める力がないので、今度はアメリカがだいぶ乗り出してきました。しかしアメリカも下手に乗り出すと第二の朝鮮戦争になるというので、だいぶ世論がやかましいのです。けれども第二の朝鮮戦争になっても、これはしかたがないのです。あるいはなるかも分からないという形勢になってきました。つい二、三日前の新聞に出てましたが、B29を二〇境急遽飛ばしたというようなことですから、なかなか容易ならぬ形勢になってきたわけです。そこでもしホー・チミン軍が仏印をやっつけてしまえば、今度はタイに出ますから、そこでタイのほうでも最近国境線に非常に防備をやっているようです。そうして今度はソ連の狙い所はタイからインドです。インドもいずれはそういう時が来るとたいへんだというわけで、ネールはずいぶんソ連にお世辞をつかってました。インドは戦争でなくて、平和条約を結ぶことになるでしょうから、そうすると、とにかく中国からインドまではすっかり中共の勢力範囲になるわけです。そうしてソ連のほうの肚はイラン、イラクからアラビアまで行って、とにかく日本と朝鮮を除いたアジアの鉄のカーテンというものをつくる計画なのです。そうしておいて、一番手強<てごわ>い日本を最後にするわけです。そのときには南朝鮮よりも日本のほうにかかるだろうと思います。日本を完全にやっつけてしまって、完全にアジアを自分の手の中に納めようというわけです。それは間違いないです。このことはアメリカのほうは知ってますし、勿論日本の政府も知ってますから、そこで大いに防備を固めなければならないというわけです。それには、いまの汚職問題をあんまり拡げて、自由、改進の保守派のほうをあまりにひどくやると、今度は社会党のほうが政権を握らなければならないということになると、その軍備に対するたいへんな支障を及ぼしますから、この問題もある程度以上には進めないという……これは大乗的考えから言うと、どうしてもそれより他にしようがないのです。ところがソ連のほうでは日本を強くしてはいけないから、どこまでも弱めなければいけないという考えで、いろいろな方策をやっているわけです。その中心が社会党左派で、鈴木茂三郎がそれです。どうしても日本を弱めなければならないので、そこで再軍備反対とか、あるいはアメリカを排撃しろとか、どこまでもそういう政策をとっているのです。いっぽうそういう政策をとりながら、いっぽうさかんにストライキを起こして、日本の製造工業を弱めなければならないというので、ストライキ戦術というのは、そういう根拠からやっているわけなのです。しかし労働者はそんな考えはないので、ただ賃金さえ上がればよいのです。だからいまのほうぼうのストライキを見ても、賃金闘争です。大きな目で見ると、日本をソ連が呑む、結局やっつけて、そうしてアジア全部を鉄のカーテンに入れる、そうしてしまえば、今度はソ連がヨーロッパをやっつけるのはわけないです。そうしてアメリカを孤立してしまって、それで世界制覇の大目的は達成されるわけです。そこでアメリカは、そうなってはたいへんだからというわけで、日本を援助しなければならないというので、日本はその目標になっているわけです。つまり鍵になっているわけです。と言っても、いまがいまそういう事態にはならないが、もしか中央アジアがやっつけられれば、次はそういう事態が起こらざるを得ないということになります。それには、日本を強くするか弱くするかということなのです。それで、強くしようというのが右派であり、弱くしようというのが左派なのです。だいたいこの間も言ったとおり、社会党左派の目的は日本を第二の中共にしようというのですから、第二の中共にすれば、とにかく日本はソ連から戦争をされる憂いはない、従って軍備の必要はないというわけなのです。どういうわけで左派が軍備不必要を唱えるかというと、ソ連という敵がなくなれば軍備の必要はないのです。ですから理屈はあるのです。ただ日本の人民が、共産政治のほうがよいか、それともアメリカの資本主義がよいか、どちらかというと、まず日本人の大部分はアメリカのほうがよいという人のほうがずっと多いわけです。われわれもそうです。共産主義のほうを嫌う人のほうがずっと多いです。けれどもそこまでみんなは知らないから、軍備があれば戦争になる、そうすれば亭主や伜<せがれ>が引っ張られる、あるいは青年は自分が戦争をするのは、命がけだから嫌だ、というそういったホンの利己愛で、自己的の小乗的の考えの人はそうとう多数あります。しかし結果が、共産政治のもとに支配される人民になるということが分かれば、どうも賛成する人はないだろうと思います。それをもっとはっきり分からせるべく新聞などが書けばよいのですが、またその新聞記者やなにかの中に、いま言う共産治下の人民になるのを好む人がだいぶあるらしいのです。そこで、はなはだはっきりしない点があるのです。それで、われわれが共産主義を嫌いなのは、共産主義は無神、無宗教、無神主義のカチカチで、こっちは有神ですからどうしても食い違ってくるわけです。いまの話は本当の常識的の、ラジオ解説みたいな話ですが、神様のほうはまた秘中の秘と言うか、その奥には奥がありというから、結局これでよいわけです。共産主義も結局大きな御用はしているわけです。神様のほうはまた別としても、いま言ったようなことだけはだいたい知っておくほうが、これからの世界の推移が分かりやすいですから、話したわけです。
昨日聞いた話ですが、「農業特集号」はあんがい歓迎されるそうで、一〇〇万部では足りないだろうということをしきりに言われましたが、たいへん結構だと思います。これは無論、腹の減っているところに食物を見せたようなものですから、飛びついてくるということになります。ちょうど時期によく合ったわけです。そんなわけで、これが売れるだけは日本が救われるのですから、大いに喜んでよいと思います。
二、三日前に分かったことですが、『静岡民報』で三月一日から救世教のこと……というが、私のことですが、三カ月にわたって連載するというのです。これはこっちで頼んだわけでもないし、どういう考えか知りませんが、突然話があったのです。一昨日の新聞に予告がありましたが、なかなかおもしろく書いてありますから、読ませてみます。
(『静岡民報』二月一五日付「世界メシヤ教物語」朗読)
それで、最初の原稿を二〇枚ばかり読んでみたのですが、なかなかおもしろく書いてあるのです。非常に興味津々たる……といったようなものです。その中でも、私が非常に愉快に思ったのは、面会のときに一度ここに来たのですが、そのときに、「話が終わって、浄霊して、それからここから出るその格好は、ちょうど田舎のじいさんが汽車の時間が迫って急いで歩くような、そういう格好だ」と言うのです。なかなかおあしろく書いてありました。ただ、私は別に会ったこともないし、教団の人とそう詳しい話も聞いたようでもないのですが、三カ月も連載するというのですから、どういう材料で、どういうふうに書くか、非常に興味があると思うのです。それから、どういう考えでそういう企画を起こしたのか、それも分からないのです。だんだん分かるでしょうが、決して先に邪念がないということはよく分かります。マイナスよりプラスのほうが多いということは認められます。そういうわけで、願わくば、もう少し、東京あたりの大新聞とまでゆかなくても、中新聞ぐらいのところに出たら、なお良いと思うのですが、けれども、とにかく地方新聞でも、そういうことによっていずれは東京の新聞なども、オレのほうでも出してみようかとか、あるいは有力な雑誌とか、そういうほうのジャーナリストを刺激する点もいくらかあると思います。なんにしても、チョット出すのではなく三カ月も連続的に出すのですから、いくらか小説的と言いますか、なにかおもしろいと思います。別にどうこう<ヽヽヽヽ>でなくて、非常に興味があると思います。また信者さんなども大いに楽しみだというようなこともあるでしょう。いまの新聞に写真も出てますが、たいへんよく出ているということです。良い悪いは、自分のことだから分からないが、若くは写っているようです。
(御講話おわり)